基礎概念定着 ― 算数の土台をしっかり築く
割合・速さ・図形といった基礎概念があやふやなままでは、文章題や応用問題に対応できず、算数が苦手科目になりやすくなります。
小4〜6年のうちに「公式を暗記する」だけでなく「意味を理解する」ことが極めて重要です。
ここでは中学受験で頻出する基礎概念を整理し、得点につなげるための具体的な学習法を紹介します。
割合の概念を理解して文章題にも応用できる力を育てる
- 「もとにする量」を意識して基準を間違えない考え方を身につける
- 割合問題で多い誤りは「どの数字を基準にするか」を取り違えることです。例えば「80円は100円の何%か」という問題で、基準を100ではなく80にしてしまうケースです。
- 普段の学習から「もとにする量はどれか?」を意識して確認する習慣をつけることが大切です。線分図や表を活用して基準を整理することで、割合の仕組みを正しく理解でき、文章題でも迷わず解答できる力が育ちます。
- 図や表で割合の関係を見える化し理解を深める学習法
- その日のうちにやり直すと「覚えているから解ける」状態に頼ってしまい、本当に理解できたかどうかを確認できません。翌日に同じ問題を解き直すことで、記憶が薄れた状態でも解答できるかを確かめられます。
- 特に分数や小数の計算は、翌日の解き直しを習慣化すると理解が確実に定着します。こうした工夫は長期的な計算力向上に直結します。
- 日常の買い物や身近な例で割合の考え方を定着させる工夫
- 割合の概念を生活と結びつけると理解が一気に深まります。例えば「1000円の品物が20%引きならいくらか」や「クラスの男子の割合は?」など、身近な事例を取り上げて考えることで、数字に意味が生まれます。
- 机上の計算にとどまらず、体験に結びつけて学ぶと記憶に残りやすくなります。日常の中で割合を意識する習慣は、入試問題でも「実感を伴った理解」として力を発揮します。
速さの基礎を理解し公式暗記から意味理解へ発展させる
- 公式を覚える前に距離・時間・速さの関係を具体例で理解する
- 「速さ=距離÷時間」という公式を丸暗記しても、応用問題には太刀打ちできません。まずは「距離・時間・速さの関係」を具体例で理解することが重要です。
- 例えば自転車で10分間に2km進むなら「1分で200m進む」と考えると、速さの本質が見えてきます。意味を理解してから公式に落とし込めば、速さの文章題にも柔軟に対応できる力が身につきます。
- 単位を揃える練習を徹底し入試本番での失点を防ぐ方法
- 速さの問題でよくあるミスは「単位がそろっていない」ことです。時速を分速に直す、分と秒を換算する、といった基本練習を繰り返すことが大切です。
- 「単位をそろえる→公式に当てはめる」という流れを徹底すると、計算がスムーズになり入試本番での失点を防げます。単位変換を自然にできるようになることは、速さ問題の安定した得点力につながります。
- 線分図や道のり図で速さの関係をイメージ化して処理力を上げる
- 速さの問題を頭の中だけで処理するのは難しく、混乱しやすいものです。道のりを線分図に表したり、時間の経過を図に描いたりすることで、問題の全体像が一目でわかります。
- 例えば「行きと帰り」の問題は2本の線を描くだけで違いがはっきりし、解答の方向性も正しく導けます。視覚的に整理する習慣をつければ、処理スピードと正答率が大幅に向上します。
図形の基本を固めて応用問題に対応できる土台をつくる
- 面積公式を丸暗記せず成り立ちを理解して応用力を磨く
- 図形問題では公式暗記に頼ると応用が効かなくなります。例えば三角形の面積なら「なぜ底辺×高さ÷2になるのか」を長方形から切り出して確認すれば理解が深まります。
- 公式の成り立ちを体験的に理解しておけば、複雑な図形問題にも柔軟に対応できます。記憶に頼らない理解は、応用問題に強くなる最も確実な方法です。
- 補助線を引く習慣を持ち複雑な図形問題を整理して解く力
- 図形問題の突破口になるのが「補助線」です。台形を2つの三角形に分ける、正方形を対角線で分割するなど、補助線で複雑な形をシンプルに整理できます。
- 正しい補助線を引く習慣を持つことで、難問も解ける形に変換できるのです。補助線は応用力を鍛える最良のトレーニング方法です。
- 立体図形を展開図で捉えて切断や体積問題に強くなる方法
- 立体図形を頭の中だけで処理するのは難しく、混乱のもとになります。そこで展開図を書いて確認する習慣が有効です。立方体の対角線や切断面を展開図で表すと、長さや面積の関係が明確になり、計算も正確に進められます。
- 入試頻出の「切断」「表面積」「体積」の問題にも強くなり、図形への苦手意識を克服できます。
まとめ ― 基礎概念を理解し算数の土台を盤石にする
算数の基礎概念は「割合」「速さ」「図形」に代表され、土台が不十分だと応用問題でつまずきやすくなります。公式を覚えるだけではなく、意味を理解し、図や表で関係を整理することが得点力アップの近道です。
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