文章を読めても、設問に正しく答えられなければ得点にはつながりません。選択問題で根拠を持たずに答えてしまう、記述で何を書けばよいかわからない、根拠を見つけられずに感覚で答えてしまう――これは「解答力」が不足しているサインです。

解答力を強化することで、本文を根拠に選択肢を吟味したり、記述問題を論理的にまとめたりできるようになります。ここでは、選択問題対策、記述力対策、根拠探し対策を中心に、解答精度を高める方法を紹介します。

選択問題対策

選択問題で「なんとなく」で答えてしまうと、正答率が安定せず得点が伸びません。
確実に正解を選ぶには、本文から根拠を探し出し、選択肢と照らし合わせる習慣が必要です。

設問の意図を読み取る
選択問題を解くときは、まず設問が「何を聞いているのか」を正確に理解することが第一歩です。
例えば、「筆者が最も伝えたいことを選びなさい」という問題なら、細かい説明や具体例ではなく「全体のまとめ」部分を探す必要があります。
設問文に出てくる「筆者」「主人公」「理由」「まとめ」などのキーワードを確認し、何を根拠にすべきかを明確にすることが正解につながります。
消去法を活用する
正しい答えがすぐにわからないときは、「本文に合わないもの」から消していく方法が有効です。
例えば、設問が「本文の内容と合っているものを選びなさい」となっている場合、合っていないと感じるものから一つずつ消していきます。そうすると、残った選択肢が正解に近づきます。
「極端すぎる表現」「本文にない情報」「筆者の意見と食い違う内容」など、誤った選択肢の特徴を知っておくことも効果的です。
随筆文の対策 ― 筆者の体験や思索を読み解く
随筆文は、筆者の体験や感想、思索が自由に書かれている文章で、論理の流れがはっきりしないことがあります。繰り返し出てくる言葉やフレーズなどに注目し、筆者が伝えたい中心的なテーマを見つけることが大切です。そのうえで、具体的な体験談やエピソードが「何を表すために書かれているのか」を意識して読み進めましょう。主張そのものよりも、「体験から導き出された考え方や価値観」をつかむ練習が効果的です。
根拠を持って選ぶ
最終的には「なんとなく正しい気がする」ではなく、本文を根拠にして答えることが重要です。
例えば「傍線部の内容に最も近いものを選びなさい」という問題であれば、傍線部の前後を読み直し、「本文のこの部分にこう書かれているから、この選択肢が正しい」と説明できるかどうかを確認します。
自分の答えに根拠を持ち、言葉で説明できる状態にすることが、安定した正解率につながります。

記述力対策

国語の記述問題は「本文の根拠をもとに自分の言葉でまとめる力」が必要です。多くのお子様が苦手とする記述力を、基礎から段階的に伸ばす方法をご紹介します。

本文のどこを使うかを見極める
記述問題では、まず設問が本文のどの部分を根拠にしているのかを特定することが大切です。
例えば「主人公が安心した理由を答えなさい」という問題なら、「安心した」という言葉の前後を探すのがポイントです。
そこで「友人に励まされたから安心した」と書かれていれば、それをもとに答えを組み立てます。設問に対応する箇所を正しく見つけ、抜き出したり言い換えたりする練習を重ねることで、根拠ある解答ができるようになります。
短い文から練習する
記述に慣れていないうちは、長文でまとめようとすると混乱しやすく、余計な表現も増えてしまいます。
例えば「本文の内容を20字以内でまとめなさい」という練習問題を繰り返すことで、「誰が」「何をした」という要点だけを抜き出す習慣がつきます。30字や40字といった制限字数がある課題も効果的です。
字数制限を意識した短文練習によって、必要な部分だけをまとめる力が磨かれます。
「問い → 根拠 → 自分の言葉」で構成する
記述問題の基本は「設問が問うこと」「本文の根拠」「自分の言葉」の3ステップです。
例えば設問が「このとき主人公がどのような気持ちだったか、40字以内で答えなさい」とあった場合、
問い:「主人公の気持ち」を説明することが求められている
根拠:本文には「不安で胸がしめつけられた」とある
自分の言葉:「先のことが心配で落ち着かなかった」とまとめる
という流れで答えます。この型を意識することで、ぶれのない安定した記述答案が書けるようになります。

根拠探し対策

「なんとなく」で答えてしまうクセから抜け出すには、本文に戻って根拠を見つけ出す力を身につけることが不可欠です。根拠を探す力があるかないかで、正答率は大きく変わります。

接続詞や指示語から根拠の手がかりを得る
「しかし」「だから」「このように」といった接続詞は、内容の転換や因果関係を示すサインです
例えば「しかし」の前後では、筆者の意見が対立している場合が多く、設問の根拠もその部分に隠れています。また「これ」「その」といった指示語は、直前や少し前の内容を受けているため、答えの手がかりになります。
接続詞や指示語を見つけたら、その前後を整理して読解する習慣を持ちましょう。
本文と選択肢を一つずつ照らし合わせる
選択肢は「本文と合っているかどうか」で判断することが基本です。例えば「主人公は友人を信頼していた」といった選択肢があれば、本文に信頼を示す描写があるかどうかを必ず確認します。
本文にない情報や逆の内容は誤答の典型です。選択肢を本文と突き合わせ、合わないものを消していけば、自然と正解が残ります。
根拠を自分の言葉で説明できるようにする
正しい答えを選んだら、その理由を言葉で説明できるかを確認しましょう。
例えば「この選択肢が正しいのは、本文の三段落目に『〜だから』と書いてあるから」と言えれば、根拠を理解できている証拠です。
逆に説明できない場合は「なんとなく」で選んでいる可能性が高いです。根拠を声に出して確認する習慣をつけることで、論理的に答えられる力が身につきます。

まとめ

設問に対して根拠をもって答える力は、テストの点数を大きく左右します。文章を読めても得点につながらないのは「解答力」が不足しているからです。

オンライン家庭教師WAMでは、選択問題から記述問題まで、一問ごとに根拠を確認しながら指導することで、確実に点数につながる解答力を養います。