「秋の夜長」っていつ頃?季語を楽しむ

「秋の夜長(よなが)」という言葉はよく耳にする言葉だと思います。
秋の夜長とは、「昼より夜のほうが長いこと。また、夜の長さがよく感じられること」を指します。 

今回は、いつからいつまでが秋の夜長に当てはまるのか、「○○の秋」でよく使われる言葉、秋の季語などをご紹介します。

 

秋の夜長1

 

「秋の夜長」っていつ頃? 

秋の夜長とは、秋が深まるにつれて夜が長くなることを意味しており、主に9月〜11月を指すことが多いようです。

 

「○○

「スポーツの秋」 

運動会(体育祭)を秋に行っていた学校も多いのではないでしょうか。 
もともと秋は暑すぎず、寒すぎない気候から、スポーツをしやすい季節といわれていたため、スポーツをするのに最適な季節と考えられていました。 
しかし、スポーツの秋といわれるようになったのは、気候だけではありません。 
スポーツの秋といわれるようになったのは1964年に行われた「東京オリンピック」がきっかけとされています。 
当時の東京オリンピック開会式は、1964年10月10日に行われました。 
これを記念して1966年に10月10日が「体育の日」と定められました。 

 

「読書の秋」 

涼しく過ごしやすい季節は本を読むのに適しています。秋の夜長に読書を楽しむことは、夜が長いことで本を読む時間が多く取れるのでおすすめです。涼しく過ごしやすいことから他の季節よりも集中力が高くなり、本をより深く読み込むことができます。集中して本を読むことで新しい知識を得ることができ、物語に入り込むことで想像力や表現力が豊かになります。日本では「読書週間」という期間があり、2021年は10月27日〜11月9日までの2週間がそれに当たります。

普段あまり本を読まない方も、秋の夜長にのんびり読書をして過ごしてみるのも良いかもしれません。 

 

「芸術の秋」

「スポーツの秋」「読書の秋」同様に暑い夏が過ぎ過ごしやすい秋の気候になり、環境からのストレスが少なくなることで、心への負担が少なくなり秋は心に芸術を楽しむゆとりができると言われています。植物が紅葉を始める季節や野菜や果物が実をつける季節と言われるように、きれいな景色を楽しめる季節で、美しい景色を残したいと考え、写真を撮ったり絵を描いたりと芸術に触れることが多くなることも言われています。 

 

秋の夜長の楽しみ方 

暑さもなく、過ごしやすい気候になると、さまざまなことをゆったりと楽しむことができます。

「秋の夜長に、読書にいそしむ」という言葉はよく聞かれます。読書だけではなく、やってみたかったスポーツに挑戦したり、天体観測を楽しむのも良いですね。

秋の夜長は、どう秋の季節を感じ取って、日々を充実させるかが大切になります。

 

秋の夜長2

 

 

「季語」としての「秋の夜長」

「秋の夜長」の「夜長」は、秋の季語として用いられます。 

季語(きご)とは、季節を表す言葉で、俳句などで使われます。 

 

俳句の「季語」

俳句(はいく)とは17音という短い文章で、季節の風景や自分の気持ちを読む詩のことです。基本的に、詩の中に季語をひとつ入れる決まりになっています。 

夜長を季語にしている有名な俳句があります。 

 

「明けたかと思ふ夜長の月あかり」 夏目漱石 

 

もう夜が明けたかと思うほどの綺麗な月明かりを表すと同時に、その夜の時間の長さを感じられる一句です。

小説家である夏目漱石が、秋の夜長を詠んだ有名な俳句です。

 

代表的な秋の「季語」

「秋の海」

秋になって色が深く波がやや高くなった海

「秋の山」

澄んだ空気のなかでくっきりと聳え立つ山である。夏の名残をとどめる青々とした山から、実りの山へとうつりかわり、やがて晩秋には紅葉に彩られる。ハイキングやきのこ採、紅葉狩りなどで賑わい見せる山でもある。

「三日月」

陰暦八月三日の月。眉を引いたように細く「眉月」ともいう。夕方、西の空にうすく輝き、すぐに沈む。

「いわし雲」

鰯の群れのように空に広がる雲。魚の鱗にも似ていることから、鱗雲ともいう。この雲が見られると鰯の群れがやってくるともいう。

「星月夜」

月のない星明りにだけの夜空を言う。月が出ているように明るい星空である。

「流れ星」

宇宙の塵が大気中に入り込んで摩擦熱で発光するもの。人工の光のない高原などでは、降るように次々に星が流れる。

「紅葉」

落葉樹の葉が赤や黄色に色づき、野山の秋を飾る。紅葉といえば主に楓のことをいう。紅葉を愛でるという習慣は平安の頃の風流から始まったとされている。

「あさがお」

朝顔は、秋の訪れを告げる花。夜明けに開いて昼にはしぼむ。日本人はこの花に秋の訪れを感じてきた。奈良時代薬として遣唐使により日本にもたらされた。江戸時代には観賞用として栽培されるようになった。旧暦七月(新暦では八月下旬)の七夕のころ咲くので牽牛花ともよばれる。

「コスモス」

キク科の一年草。高さ二メートルくらいになる。葉は細かく裂け、茎はひょろひょろと伸びる。九月から十月にかけて白やピンクの花をつける。花弁が桜に似ているところから、秋桜ともいわれる。

 

そのほか「秋の~」「~の秋」「月」「プラネタリウム」「金木製」「どんぐり」「まつぼっくり」「たなばた」「虫の声」「すず虫」「とんぼ」「柿」「栗」「とうもろこし」「サンマ」「きのこ」「運動会」「体育の日」「文化の日」「敬老の日」「花火」「美術展」「衣更え」「盆踊り」などがあります。 

 

 

これも「秋」?これも「季語」 

秋の季語の中には秋の季語なのかな?と疑わしく思うものもあります。 

その中で4つ紹介します。 

 

「八月」

8月は真夏でとても暑い夏の時期ですが、暦の上では立秋になって季節が夏から秋に変わる月のことをいいます。そのため秋の季語となります。

 

「お盆」

お盆期間は毎年変わらず、8月13日~16日の4日間ですがお盆に関するものは初秋の季語に分類されます。 なお、精霊会(しょうりょうえ)とは、盂蘭盆会(うらぼんえ)と同じく「お盆」のことです。 

 

「西瓜」(すいか)

暑い時期に出回り、体の渇きをいやしてくれる。 そのため、一般には夏の季語と考えられがちですが 、最も甘くなる旬は立秋(8月7日頃)を過ぎたお盆の頃であるため、秋の季語とされる。

 

「枝豆」

枝豆の地物の本当の旬は立秋過ぎたちょうど旧暦お盆の頃。そのため暦上では秋なので、枝豆は秋の季語となります。 

 

「林檎」「ハロウィン」も秋の季語 ??

「林檎(りんご)」は1年中出回っているイメージですが特に晩秋から冬にかけて流通します。そのため単に林檎とした場合は秋の季語として扱われ、 冬季の林檎であることを俳句の読者に伝えたいときは、冬林檎という冬季の季語を用いて使うこともあります。 

 

秋の夜長3

 

クリスマスやバレンタインなどは日本の生活にすっかり溶け込み、季語として歳時記に記載されていますが、たとえば、合本俳句歳時記(角川書店編)をみても『ハロウィン』は季語として記載されていません。

(2019/9時点) 

 

 

まとめ

秋の夜長は、四季がはっきりした日本だからこそ体感できる貴重な時間です

この貴重な時間を使って、やってみたかったことに挑戦したり、趣味をとことん楽しんでみるのはいかがでしょうか。

今年はどうやって過ごすか、充実した秋の夜長にしましょう。 

 

 

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