中学受験のスケジュール管理は「捨てる勇気」が9割!小5の壁を越える現実的な週単位計画
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「早くやりなさい!」と毎日怒鳴ってしまい、後で寝顔を見て自己嫌悪に陥る……。

塾から帰宅後の短い時間で、山のような宿題が終わらず、日付が変わるまでお子様を机に向かわせてしまっていませんか?

5年生になり、塾のテキストの厚みが増し、「今までのやり方が通用しなくなった」と感じているのは、あなただけではありません。

真面目な親御さんほど、すべての課題を完璧にこなそうとして追い詰められてしまいますが、実は中学受験の成功において「全部やる」は正解ではありません。

むしろ、合格を勝ち取るご家庭ほど、驚くほどドライに「捨てる勇気」を持っています。

この記事では、オンライン家庭教師WAMの教育プランナーが、数々の修羅場を乗り越えてきた経験に基づき、「戦略的な間引き(タスク・トリアージ)」の技術と、「予備日」を組み込んだ破綻しない現実的なスケジュール管理術を解説します。

今夜から、親子で笑顔を取り戻すための「新しいルール」を始めましょう。

なぜ「完璧な計画表」を作っても3日で破綻するのか?

まず、お母さん自身を責めるのをやめましょう。「私の管理能力が低いから」「うちの子に集中力がないから」計画が守れないのではありません。

多くのご家庭でスケジュールが破綻するのは、そもそも「前提となる量」と「人間の限界」を見誤っているという、システム自体の問題が原因です。

「小5の壁」は気合いでは越えられない

中学受験において「小5の壁」と呼ばれる現象があります。これは単に内容が難しくなるだけでなく、物理的な学習量が爆発的に増える時期を指します。

データで見ると、大手進学塾のカリキュラムにおいて、4年生と5年生の学習量を比較すると、その総量は約1.5倍から2倍にまで膨れ上がります。

「小5の壁」は気合いでは越えられない

今までと同じ睡眠時間、同じ遊び時間を確保しようとすれば、どこかに無理が生じるのは当然です。この物理的な許容量オーバーを、親の「管理」や子供の「やる気」だけでカバーしようとするのは、土台無理な話なのです。

睡眠を削るのは「努力」ではなく「自傷行為」です

時間が足りない時、最も削られやすいのが「睡眠時間」です。「あと30分だけ頑張ろう」と夜更かしをさせていませんか?

脳科学の視点から申し上げますと、これは学習成果をドブに捨てる行為に等しいと言わざるを得ません。

東北大学加齢医学研究所の研究によれば、睡眠不足は記憶の中枢である「海馬」の発達を阻害することが分かっています。

睡眠時間と記憶の定着(海馬)には密接な因果関係があり、昼間に詰め込んだ知識は、十分な睡眠をとっている間に整理され、定着します。

つまり、睡眠を削って問題を解かせることは、脳の成長を止め、翌日の学習効率を劇的に下げるという「負のループ」への入り口なのです。

スケジュール管理の第一歩は、「睡眠時間は絶対に動かせない固定ブロック」として扱うことから始まります。

合格する親はここが違う!宿題を「3割捨てる」プロの選別基準

では、限られた時間と守るべき睡眠時間の中で、どうやって膨大なカリキュラムをこなせばよいのでしょうか?

ここで登場するのが、「タスク・トリアージ(選別)」という考え方です。

「全タスク(宿題)」に対して冷静な「トリアージ」を行い、実行すべき課題のみを抽出するプロセスが不可欠です。

合格する親御さんは、塾の宿題を「全部やるべき命令」ではなく、「取捨選択すべきメニュー表」として捉えています。

ここでは、プロが実践している「即捨て」の3つの基準をお伝えします。

基準1:解説を読んでも親も理解できない「難問」

テキストの最後にある応用問題などで、解説を読んでもお母さんが「?」となる問題。これは今の段階では、お子様の発達段階に合っていません。

「いつかやる」ために印だけつけて、今の週単位計画からは潔く外しましょう。

基準2:配点が低いのに時間がかかる「作業系」の課題

例えば、理科や社会の細かい用語の書き取りや、色塗りなど。入試における配点効率(コスパ)が悪く、ただ時間を浪費するだけの「作業」になっているものは、優先度を下げます。

基準3:すでに完璧に解ける基礎問題の「単純反復」

真面目な子ほど、すでに分かっている計算問題を延々と解いて安心しようとします。

「できること」を確認する時間は最小限にし、その時間を「少し考えればできそうな問題」に充てるのが鉄則です。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

宿題の「3割」は捨てても大丈夫。むしろ、捨てることで成績は上がります。

なぜなら、「捨てることの重要性」は多くの人が見落としがちで、「全部中途半端に手をつけて、全部定着しない」のが最悪のパターンだからです。

大手塾のカリキュラムは、最難関校を目指す子も含めた全員向けに作られています。中堅校や難関校を目指す場合、テキストのすべてをこなす必要は最初からありません。

「捨てること」はサボりではなく、「合格に必要な7割を完璧にするための戦略」です。この知見が、あなたの成功の助けになれば幸いです。

【テンプレート付】親子で納得できる「現実的な週間スケジュール」の作り方

捨てる覚悟が決まったら、実際にスケジュールを組んでいきましょう。

ここで重要なのは、分刻みの理想的な円グラフを作ることではありません。「週間スケジュール」の中に、あえて空白である「予備日」という必須構成要素を組み込むことです。

1. 「ブロック思考」で大まかに枠を決める

「17:00〜17:15 計算、17:15〜17:45 国語…」といった細かいスケジュールは、トイレに行ったり鉛筆を削ったりするだけでズレていき、子供のやる気を削ぎます。

もっとざっくりと、「食事・風呂ブロック」「勉強ブロック」のように、大きな塊(ブロック)で管理しましょう。

2. 「予備日15%」の法則

これが今回、最もお伝えしたいポイントです。

1週間のスケジュールのうち、全体の約15%(週に半日〜1日分)は、絶対に予定を入れない「完全な空白(予備日)」として確保してください。

  • 土曜日の夜
  • 日曜日の午前中

など、どこでも構いません。

この「予備日」と「週間スケジュール」の関係は、車のハンドルにおける「遊び」と同じです。

子供はロボットではありません。体調が悪い日もあれば、学校で嫌なことがあって集中できない日も必ずあります。そうした「想定内のトラブル」による遅れを吸収し、翌週に持ち越さないための安全装置が「予備日」なのです。

もし順調に進んで予備日が余ったら? その時は思いっきり遊ばせてあげてください。それが最大のご褒美となり、翌週のモチベーションになります。

週間スケジュールテンプレート(予備日あり)

計画倒れを防ぐ「運用と修正」のルール

スケジュールは「作って終わり」ではありません。「運用して、修正し続ける」のが本番です。

週に1回の「親子作戦会議」

スケジュールを親が一方的に決めて渡していませんか? これでは子供は「やらされている」と感じ、自分事になりません。

週に一度、例えば日曜日の夜に15分だけ時間をとり、「親子作戦会議」を開きましょう。

  • 「今週の予定、どこかキツイところある?」
  • 「日曜の予備日、もし空いたら何して遊ぶ?」

このように、子供の意見を聞き、子供に決めさせる(少なくとも決めたと思わせる)プロセスが、実行への責任感を生みます。

「できなかった」を責めずにリセットする

どんなに良い計画でも、崩れる時は崩れます。

その時、「なんでできなかったの!」と責めるのではなく、「予備日があってよかったね、ここで取り戻そう」と声をかけてください。

もし予備日を使っても終わらなかったタスクはどうするか?

その場合は、勇気を持ってそのタスクを「切り捨て(リセット)」ます。

未消化タスクを翌週に借金として持ち越すと、翌週の計画も雪だるま式に破綻します。「今週はここまで頑張ったからOK」と区切りをつけ、気持ちを新たに次週をスタートさせることが、長く受験生活を走り続けるコツです。

親の仕事は「管理」ではなく「環境作り」

ここまで、厳しい現実と具体的なテクニックをお伝えしてきました。

要点を振り返りましょう。

  1. 小5の壁は物理的に高い。「全部やる」は不可能と知る。
  2. 睡眠は削らない。それは脳への投資である。
  3. タスク・トリアージを行う。「難問」「作業」「単純反復」は捨てる。
  4. 予備日を15%確保する。余白が心の余裕を生む。

お母さんの本来の役割は、鬼のような顔で進捗を管理する「看守」ではありません。

お子様が安心して力を発揮できるように、不要な荷物を減らし、走りやすいコースを整えてあげる「マネージャー」であり、一番の「応援団」であるはずです。

もし、「どの問題を捨てていいか、自分では判断できない」「親が何を言っても子供が反発して喧嘩になる」という場合は、第三者のプロの力を借りるのも賢い選択です。

オンライン家庭教師WAMでは、お子様の志望校と現在の学力状況に合わせて、プロの教育プランナーが「今やるべき問題」と「やらなくていい問題」を明確に仕分けします。

親御さんに代わって学習ペースを管理し、お子様との関係を「勉強を教える・教わる関係」から「親子としての温かい関係」に戻すお手伝いをいたします。

まずは、今の苦しい状況を私たちに話してみませんか?

無理なスケジュールの重荷を下ろして、親子で笑顔になれる受験生活を再設計しましょう。

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