どうなる?2021年の祝日
今回は、新しく制定・変更された「国民の祝日」について解説します。
祝日の由来も紹介しているので、日本国民としてぜひ覚えてきましょう。
Contents
今年の変更点
なぜ今年は祝日の日付が変更になったのか
東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催期間中のアスリート、観客等の円滑な輸送と、経済活動、市民生活の共存を図るためです。
7月の変更
例年「海の日」は7月の第3月曜日
→オリンピック開会式前日の7月22日(木曜日)に変更
8月の変更
例年「スポーツの日」は10月の第2月曜日
→オリンピック開会式当日の7月23日(金曜日)に変更
10月の変更
例年「山の日」は8月11日
→オリンピック閉会式当日の8月8日(日曜日)に変更
各祝日の意味と由来
元日
元日の「元」という文字には「一番初め」という意味があります。
つまり、元日とは一年の「一番初めの日」である1月1日のことを意味しています。
古来日本では、その年の最初の日である1月1日に歳神様がやってくると考えられており、元日には歳神様をお迎えするための風習が行われていました。
平安時代になると、これが無病息災や豊作を願い、伊勢神宮をはじめ神社などを拝する「四方拝」となり、宮中行事として定着したのです。
「四方拝」は、明治以降から昭和初期になると国の行事としての「四方節」となり、現在の国民の祝日のもととなる「四大節」という祝日のひとつとなり、戦後に制定された祝日法によって国民の祝日と定められています。
成人の日
大人になったことを自覚し、祝い励ますためとして1948年に設けられました。
成年の式と祝いは古くからあり、貴族や武人の間では男子は、11~16歳で元服の式を行い、安土桃山時代から庶民の間では前髪を剃るようになりました。女子は江戸時代になってから、12~16歳で袖留を行うようになった様です。
現在では男女ともに満20歳を成年としています。
建国記念の日
1957年、かつての紀元節を建国記念日として祝日に追加する法案が国会に上程されました。
1966年6月、参議院において「国民の祝日に関する法律」の改正案が可決された結果、建国記念日審議会が首相の諮問機関として設けられ、12月に「建国記念の日」が公布されました。
天皇誕生日
歴史上で、天皇誕生日が初めてお祝いされたのは宝亀6年の光仁天皇だと言われています。
当時は天皇誕生日ではなく、「天長節」と呼ばれていました。
以後、天長節は、「明治節」「紀元節」「新年」と並んで「四大節」と呼ばれ盛大に祝われていました。
しかし、昭和23年の祝日法の制定により、翌年の昭和24年からは天長節は廃止され、代わりに天皇誕生日として国民の祝日に定められるようになりました。
なお、天皇誕生日とは今上天皇の誕生日を指すものですが、国民の祝日として定められているものの中には、崩御された天皇の誕生日が名称を変えて今も祝日として残っているケースもあります。
春分の日
春分の日は、「自然を称え、将来のために努力する日」と法律で定められた祝日です。
その日付は、祝日法の上では「春分日」としており、その前年の2月1日に、国立天文台が作成する「暦象年表」という小冊子に基づいて閣議で決定され、官報で発表されています。
昭和の日
昭和天皇の誕生日でしたが、1989年の崩御に伴い「みどりの日」として制定されました。
2007年に行われた国民の祝日に関する法律の改正によって、「みどりの日」は5月4日に変更され、4月 29日は新たに昭和の日となりました。
「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことをその趣旨としています。
憲法記念日
「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」ことを趣旨としています。
1947年5月3日に、日本国憲法が施行されたことを記念して、 1948年に公布・施行された祝日法によって制定されました。
みどりの日
命名の趣旨は、昭和天皇が在位中に全国各地の植樹祭に出席し、緑化事業に関心を示したこと、および現在における環境問題の重要性を強調することにあるとされています。
2006年以前は、4月29日でした。
こどもの日
「こどもたちの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨としています。
1948年7月20日の祝日法の公布・施行により制定されました。
現在ではゴールデンウィークを構成する日の一つです。
海の日
海の日は「島国である日本の繁栄」を願う日です。
国民の祝日に関する法律によれば、「海の日」とは「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国家日本の繁栄を願う」日であると記されています。
また国土交通省によれば、世界の国々の中で海の日という祝日があるのは、日本だけだそうです。
山の日
日本は国土の約7割を山が占めることから、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝すること」を趣旨として2014年に制定・2016年より施行されました。
敬老の日
1963年以来、「老人福祉法」で敬老精神と老人福祉への関心向上のためとして定められていたのが、1966年国民の祝日として改称制定されました。「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝うこと」が趣旨です。
秋分の日
秋分にあたり、祖先を敬い故人をしのぶ趣旨で、1948年に制定されました。
秋の彼岸の中日で、戦前は「秋季皇霊祭」と呼ばれていました。国立天文台が、毎年2月に翌年の秋分の日を官報で公表しています。
スポーツの日
国民の祝日であった「体育の日」の新名称です。
2018年6月20日に公布された「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律」の施行に伴い、20年1月1日より名称が変更されました。
2020年の東京五輪・パラリンピック開催を機に、教育的な意味合いの強い「体育」から娯楽的な意味も含む「スポーツ」という言葉に改めることで、スポーツ本来の意義を広めることを目的としています。
文化の日
趣旨は「自由と平和を愛し、文化をすすめるために国民がこぞって祝い感謝し、記念する日」です。文化勲章の授与式もこの日に例年行われています。かつては「明治節」と呼ばれていました。
勤労感謝の日
「勤労を尊び、生産を祝い国民がたがいに感謝しあう」ことを趣旨として制定されました。
その前は国の祭日で、天皇が新穀を「天神地祇」に勧め、自らも食する「新嘗祭」という祭事の日であった影響で、今でも農業関係者の祭典がこの日にたくさん行われています。
まとめ
今回は東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、新しく制定・変更された「国民の休日」について紹介しました。
普段何気なく過ごしている祝日も意味や由来を知ることで、より良い祝日を過ごせると良いですね。