三権分立とは?詳しく解説します!
オンライン家庭教師
オンライン家庭教師

こんにちは!オンライン家庭教師WAMです(^^)/

 

小学校や中学校の社会の時間に習った「三権分立」という単語。

皆様はきちんと説明することが出来ますか?

 

学生時代は何となく覚えていたけど、いざ聞かれると「何だったかな?」となったりしますよね。

普段何気なくテレビやネットのニュース、新聞などで見たり聞いたりすることのあるこの言葉を今日は、皆様にしっかりと理解していただけるように詳しく解説をしていきたいと思います。

 

是非、学生の皆様はこの記事を読んで理解していただきたいです。

また、大人世代の皆様はこの記事を読んでお子様や近所の子たちに自慢げに説明してあげてください!

 

三権分立とは?

三権分立とは、強力な3つの権力を1か所に集めることなく3つの権利に分けることで互いを抑制し合い、均衡を保つことです。

権力の行き過ぎを防ぎ、国民の自由と権利を守ります。

 

 

強力な3つの権利とは、

 

・立法権

・行政権

・司法権

 

の3つになります。

 

立法権は国会、行政権は内閣、司法権は裁判所が持ち、お互いがお互いをけん制し合う仕組みになっています。

 

三権分立の歴史

現代の三権分立の始まりは、フランスの啓蒙思想家“モンテスキュー”が1748年に出版した「法の精神」です。

あくまで“制度“としてではなく、考え方を広めたものになります。

 

モンテスキューは「法の精神」で、

「すべて権力をもつ者はそれを濫用しがちである。彼は極限までその権力を用いる。権力の濫用をなしえぬようにするためには、権力が権力を抑制するよう事物を按配することが必要である」

と述べています。

 

実際にこれが制度として初めて確立されたのが、1787年のアメリカ合衆国憲法でフランスでは1791年に“1791年憲法”で制定されました。その後、様々な国でもいろいろな統治方法がありつつも20世紀までにはほぼ国家システムとして採用されるようになりました。

 

各権利の内容

立法権、行政権、司法権について説明していきましょう。

①立法権(国会)

・国の法律を決定する

・国の予算を決定する

・外国と結んだ条約を承認する

②行政権(内閣)

・国の仕事を進めていく

・国の予算を作成する

・外国と条約を結ぶ

③司法権(裁判所)

争いごとや犯罪を、憲法や法律に基づいて判断し、解決する

 

という権利になっています。

 

 

日本での三権分立

三権分立の仕組みの基本は、国民の権利と自由を守るためのものとなります。

国民は3つの権力に対し、以下のような働きかけをすることが可能です。

 

・国民→国会

選挙により国会議員を選出する

 

・国民→内閣

世論(国民の意見)をぶつけ、内閣に対してのいいところや悪いところを指摘する

 

・国民→裁判所

最高裁判所の裁判長に対し、審査を行う

 

これらにより、自分たちの手で国会議員を選出し、内閣には自分たちの声をぶつけ、裁判所に対しては裁判長として問題ないかを審査することで自分たちの権利と自由が保障されています。

 

 

立法とは

日本での立法

国会は憲法第41条によって、

「国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」

と定められています。

 

 

これは国会が、ただ1つ、国民から直接選ばれたメンバーで構成されている機関であるからです。

それゆえに、国のルールである法律を定めることができるたった1つの機関になります。

そして国会は衆議院と参議院の二つの議院から構成されています(憲法第42条)。

これを二院制といいます。

 

二院制の特徴としては

・ 国民のたくさんの意見をより広く反映させることができる

・ 二つの議院で審議することで、重要な決定を慎重に行える

・ 一つの議院の行き過ぎを抑えたり、足りないところを補ったりできる

といった利点があります。

 

 

国会の役割

憲法で定められている主な仕事を記載します。

①法律の制定

内閣または議員が法律案を作成して提出し、国会で審議され、制定されます。

②予算の議決と決算の審議

内閣が作成しますが、国会の議決に基づかなければ使うことができません。

③条約締結の承認

内閣が条約を結ぶには、国会の承認を受けなければなりません。

④内閣総理大臣の指名

内閣総理大臣は、国会が国会議員の中から指名し、この指名に基づき天皇が任命します。

⑤憲法改正の発議

各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が憲法の改正を発議します。

それゆえ憲法を改正するには、国会が発議して、国民投票を行い、承認されなければなりません。

⑥衆議院の内閣不信任決議

衆議院は、内閣に対して信任・不信任の決議をすることができます。

内閣不信任決議案が可決されたとき、また内閣信任決議案が否決されたときは、内閣は、衆議院を解散または、総辞職しなければなりません。

⑦裁判官弾劾裁判所の設置

ふさわしくない裁判官をやめさせるかどうかを決める裁判官弾劾裁判所を設けています。

 

以上のように、①~④・⑥は行政権を持つ内閣と、⑦は司法権を持つ裁判所に対しての役割を持っています。

 

 

行政とは

日本での行政

国会で指名された内閣総理大臣を筆頭に、その総理大臣が任命した国務大臣で成り立っています。

国会で決められた法律や予算に基づいて、国の仕事を進めていきます。

このメンバーで集まって、「閣議」という会議を行い、そこで決められた方針に基づき国務大臣を中心に仕事を進めていきます。

 

 

内閣の役割

①法律の執行

国会で制定された法律を実行に移し、政治を進めていきます。

②外交関係を処理し条約を結ぶ

外国と条約を締結する権限があります。(国会の承認が必要)

③予算案を作成し国会に提出

予算原案を閣議で決定し、国会に提出します。

④政令の制定

憲法や法律の規定を実施するための命令を「政令」といい、これを制定しそれに則って仕事を行います。

⑤最高裁判所長官の指名、その他の裁判官の任命

最高裁判所長官は内閣が指名を行い、天皇により任命されます。

また、最高裁判所の裁判官と下級裁判所の裁判官は、内閣が任命します。

「指名」とは、物事にあたる人を指定することを言います。

「任命」とは、ある職務につくよう命令することを言います。

⑥天皇の国事行為に対する助言と承認

国事行為とは日本国憲法に定められた事柄を、形式的・儀礼的に行うことのことです。

天皇は国の政治に対する力を持っていないため、内閣がすべて責任を負っています。

 

②③のように国会との結びつきが強く、⑤のように裁判所に対しても内閣が指名、任命するという役割を持ちます。

また、国会に対しては国会の召集や、国会に対する連帯責任を負い、衆議院を解散する権限も持っています。

 

 

司法とは

日本における司法

法律に基づいて争い事を解決する機関です。

個人の間に起こった法律的な紛争を解決し、犯罪をした疑いがある人が有罪であるのか無罪であるのかを判断することで、国民の権利や安全を守っています。

 

 

裁判所の役割

国会に対しては、違憲立法審査権を持ち法律や政令・条例などの法規が憲法に違反していないかどうかを審査し、憲法に違反している場合はそれを無効とする権限があります。

この権限はすべての裁判所がもちますが、最高裁判所は最終的な審査権をもっています。

 

内閣に対しては、内閣の作る命令が憲法に反していないかをチェックする権利があります。

さきほどの違憲立法審査権と同じような感じです。

特に、最高裁判所は最終審議を行う場所なので『法の番人』と呼ばれています。

 

 

まとめ

三権分立について、理解していただけましたか?

上記のように、国民を中心に3つの権力が互いをけん制し合うことで、権力の行き過ぎを抑えつつ協力関係をもって日本は動いています。

是非ここで得た情報を基に、改めて興味を持ってもらえたらと思います。

記事一覧TOP