夏には花火やキャンプ等アウトドアでの様々なイベントが実施されますが、そこでは共通して夜空を見上げることが多くなります。

その時、夜空にはきれいに輝く無数の星があったことを思い出す方も多いのではないでしょうか。

「あぁ、きれいだな」との感想だけで本来のイベントに戻ってもいいですが、星座の知識が少しでもあれば、もっと楽しい夏の夜を過ごすことができるでしょう。

そこで、ここでは夏に見られる有名な星座の特徴や見つけ方、それにまつわる伝説や神話を紹介します。

最後まで読んでいただき、夏のイベントを共に過ごす人に教えてあげてください。

 

夏の有名な星座

晴れ渡る夏の夜空には、天の川の流れにそって様々な星座を見つけることができます。

6月から8月にかけて、夜に見やすい位置にある星座のことを「夏の星座」と呼んでいます。

それでは、代表的な「夏の星座」を紹介します。

 

 

夏の星座:白鳥座

「白鳥座」は、十字型に星が並んだ形の星座です。

この十字型は「北十字」とも呼ばれています。

星座の絵でははくちょうが翼を広げて飛んでいる姿を描きます。

ちょうど天の川に重なるように位置しているので、天の川の中を飛んでいるようにも見えます。

 

「白鳥座」の目印は1等星のデネブです。

デネブは「しっぽ」という意味で、その名のとおり、はくちょうの尾の部分で輝いています。

 

また、くちばしの部分にも有名な星があります。

二重星のアルビレオです。

肉眼では1つの星にしか見えませんが、望遠鏡を使うとオレンジ系と青系の2つの星であることが分かります。

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の中で「サファイアとトパーズの大きな二つのすきとおった球」と表現されるくらい美しい星です。

 

夏の星座:わし座

「わし座」の目印は、白い1等星アルタイルです。

 

星座の絵では、翼を広げて空を飛ぶワシの姿を描きます。

 

アルタイルは「飛ぶワシ」という意味で、アルタイルを含む直線状に3つ並んだ星がわしの形を想像させます。

 

夏の星座:こと座

「こと座」の目印は青白い1等星のベガです。

 

ベガ以外の星は暗いため少し見つけにくいのですが、小さな平行四辺形に星が並んで星座を作っています。

 

星座の見つけ方

 

 

夏の星座探しはまず、「夏の大三角」を見つけることからスタートしましょう。

はくちょう座、わし座、こと座の中にある1等星を結んでできる大きな三角形を「夏の大三角」と呼び、夏の星座を見つけるときのガイド役になっています。

 

はくちょう座は、明るい星が多く形も分かりやすい夏の星座の代表です。

天の川の中に十字架の形に並んでいる明るい5つの星がはくちょう座です。

そのうち一番明るく輝く1等星がデネブです。

 

はくちょう座から、天の川にそって南の方を見てみると、明るい1等星が2つ、

天の川をはさんで輝いているのが見えます。

これが、わし座の1等星アルタイルと

こと座の1等星ベガです。

 

 

夏の星座と伝説、神話

夏の大三角を形作る星たちは、私たちにとてもなじみ深い「七夕」にまつわる星でもあります。

また、それぞれの星座ができる由来となったギリシャ神話も存在します。

3つの星座を夏の夜空で見つけた時、伝説や神話を知っていたほうがより楽しい星座観察になると思いますので、簡単に内容を紹介します。

 

七夕伝説

わし座のアルタイルが彦星、こと座のベガが織姫、はくちょう座が天の川の橋渡し役であるカササギです。

 

むかしむかし、天帝の娘である織姫と牛飼いの若者の彦星がいました。

織姫は神様たちのために布を織るのが仕事でした。

天帝は立派に成長した織姫のために、良い結婚相手を探し始めました。

そして、彦星という働き者の若者を見つけたのです。

天帝が二人を引き合わせたところ、織姫と彦星はお互い好きになりやがて結婚しました。

二人はいつも一緒で毎日を楽しく過ごしていましたが、だんだん辛い仕事のことが嫌になり、二人はまったく働かなくなってしまいました。

 

二人の働きが無くなってしまったことで、神様たちは織姫の織る布を手に入れることができなくなり、民たちは牛の力で農耕をすることができなくなってしまいました。

この困った状況を見て怒った天帝は、二人を天の川で離ればなれにしてしまいました。

二人は悲しみのあまり泣き続け、結局仕事どころではありません。

そこで天帝は、二人が以前のようにまじめに働くのならば、年に一度、7月7日に会っても良いと約束をしました。

この日は二人が天の川を越えて会いにいけるように、カササギが橋を架けてくれることになりました。

それから二人は心を入れ替え、まじめに働くようになりました。

 

 

ギリシャ神話:はくちょう座

スパルタの国王テュンダレオスの妃であるレダは、並ぶものがないと言われているほどの美しい女性でした。

ある日、レダは水浴びをするために宮殿近くの泉に出かけました。

天上からこれを見た大神ゼウスは、その美しさに魅せられ、一羽の美しい白鳥に姿を変えてレダのいる泉へと舞い降りていきました。

ゼウスはレダに近づくために、女神アフロディーテに「黒鷲に変身して私(はくちょう)を襲ってくれ」とお願いしました。

黒鷲に襲われている白鳥を見つけたレダは、それがゼウスの化身とも知らず、美しい白鳥をかばい、やさしく抱き寄せてしまいます。

 

ゼウスはこのような演技を使うことで、自分の思いを遂げることができました。

その後、レダは大きな卵を2つ産んだと言われています。

 

ギリシャ神話:わし座

トロイの国をつくったトロース王の子どものガニメドは、美しい女性にも勝る容姿をもっていました。

それは栗色の髪の毛に黒い瞳、バラ色の唇をしており、女性だけでなく、男性もその美しさの虜になってしまうほどでした。

 

美しいものが大好きな大神ゼウスは、ガニメドをたいへん気に入ってしまい、是非とも自分の側に置いておきたいと思いました。

ゼウスは、一羽の大きな鷲に変身して、トロイの国を目指して舞い降りていきました。

ガニメドはヒツジの群れを追っていましたが、突然大きな鷲に襲われ逃げる間もなく天空高くさらわれてしまいました。

オリンポスの山頂に舞い降りた鷲は、ガニメドの前でゼウスの姿に戻り、ガニメドにこう告げました。

「お前のような美しい少年がわたしの側にいてくれるなら、わたしはお前に永遠の若さと美しさを与えることを約束しよう」と。

大神ゼウスの申し入れであったため、ガニメドには断れるはずもありませんでし た。

トロイの国に帰ることをあきらめたガニメドは、ゼウスや他の神々のために酒を酌むなどして過ごしたと伝えられています。

 

ギリシャ神話:こと座

女神カリオペとトラキア王オイアゲロスとの間に生まれたオルフェウスは優れた楽器奏者として成長しました。

その才能は他者と比べて際立っていたため、芸術の守護神アポロンはひとつの琴をオルフェウスに贈りました。

オルフェウスがこの琴を演奏すると、森は静まり、動物たちも聞き入ったと言われる程でした。

 

やがて、オルフェウスは美しいニンフ・エウリディケと結婚し、幸せな日々を過ごします。

しかし、それも長くは続かず、ある日、エウリディケは野で毒蛇にかまれ、亡くなってしまいます。

どうしてもエウリディケのことを諦めることができなかったオルフェウスは、エウリディケを生き返らせるために冥界へとさまよって行きました。

冥界にはカロンという番人と、ケルベロスという番犬が立ち入るものを見張っていました。

このケルベロスは三つの首をもつ怪物で、オルフェウスの力ではとうてい敵うはずもありません。

そこでオルフェウスは琴で美しい音楽を奏で、カロンとケルベロスを魅了し、その間に冥界に入ることに成功しました。

 

やがて冥界の王プルトーンの元へたどり着いたオルフェウスは、エウリディケを生き返らせてほしいとお願いします。

しかし、プルトーンはこの願いを聞き入れてくれませんでした。

オルフェウスは再び琴を取り出し、願いを込めて演奏しました。

見事な音色は冥界の全てに響き渡り、全てのものを感動させました。

オルフェウスの思いの強さを知った王妃ペルセフォネは、プルトーンにエウリディケを生き返らせてあげるよう説得してくれました。

そのこともあり、プルトーンもようやくオルフェウスの願いを聞き入れ、エウリディケを生き返らせてくれることになりました。

ただし、地上に戻るまでは、決してエウリディケの顔を見ないことをオルフェウスに約束させました。

オルフェウスはとても喜びエウリディケを連れて地上へと向かいました。

地上の光が見えてきたとき、喜びのためオルフェウスは思わずエウリディケの方へ振り返り、その顔を見てしまいました。

すると、エウリディケの姿は消えてしまい、再び冥界へと連れ戻されてしまいました。

オルフェウスは急いで冥界に戻り、再びプルトーンにお願いしますが全く応じてくれません。

オルフェウスがいくら琴を奏でても、プルトーンは黙っているだけでした。

願いが聞き入れられないことを知ったオルフェウスは一人で地上へと戻っていきました。

その後は二度と琴を奏でることもなく、たださまよい歩くだけでした。

ある日、オルフェウスはトラキアの女性たちの祝宴に迷い込んでしまいました。

オルフェウスの琴を知っていた女性たちは演奏してほしいとお願いしました。

しかし、すっかり気落ちしてしまっているオルフェウスは、女性たちに何度頼まれても琴を奏でることはありませんでした。

これに怒った女性たちは、石を投げてオルフェウスを打ち殺し、琴と一緒に川に捨てられてしまいました。

芸術の女神ムーサイは、オルフェウスの死をあわれみ、いつも持っていた琴を夜空に上げたのだと伝えられています。

 

 

まとめ

今回は3つの星座を中心に紹介しましたが、星座は全部で88種類あります。

コロナ禍の現在、行動が制限されてしまい自宅でスマホやゲームをして過ごすことが多いと思いますが、たまには自然の夜空を見上げ、ギリシャ神話等を通じて想像力を膨らませ、心身ともにリラックスしてみてはいかがでしょうか?

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