慣性の法則 -ガリレオとニュートン-
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こんにちは!オンライン家庭教師WAMです(^^)/

今回は【慣性の法則 -ガリレオとニュートン-】についてお話します。

 

慣性の法則とは 

普段生活している時、我々の周りには様々な運動が起きています。

物を真上に投げると、ある高さまで到達した後地面に向かって落ちてくる、などがそうです。

こうした身近な運動に関する学問を「古典力学」といいます。 

 

今回は、古典力学の慣性の法則」を扱います。

慣性の法則とは、「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止し続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」というものです。

要するに、「物体はそのままだとその運動を続ける」ということです。 

この「慣性の法則」はどのようにして発見されたのか。

まずはその歴史的経緯を述べていきます。 

 

 

「慣性の法則」の発見 

慣性の法則の発見者・ガリレオ 

 

ガリレオ像(wikipediaより)

 

ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)はイタリアのピサに生まれました。

彼は非常に好奇心旺盛な人物で、「近代科学の父」とも呼ばれています。

その理由は、現在では当たり前となっている「実験」を彼が初めて用いたからだと言われています。

それまでは、「運動はなぜ起きるのか」が議論されていましたが、ガリレオ以後は「運動はいかに起きるのか」を議論するようになりました。 

 

ある日ガリレオは、水平面上を転がる球の運動に疑問を持ちます。

U字に曲がった滑らかな曲線を考えてください。

ある高さから転がした球は、同じ高さまで上がります。

振り子の運動と同じように、球が動き始めた高さと球が一瞬止まったときの高さが一致します。 

さらに、U字の斜面の片方を水平にすると、球は同じ高さまで上がろうとしますが、水平面場を動いているので一向に高さは変わりません。

この時、球は、同じ高さまで上がろうとしていつまでも転がり続けるのです。

これが、ガリレオの発見した「慣性の法則」です。 

 

古典力学を完成させたニュートン 

 

ニュートン像(wikipediaより)

 

上記のように、慣性の法則の発見者はガリレオですが、後にそれを運動法則として整理したのは、アイザック・ニュートン(1642-1727)です。

「すべての物体には引力が普遍的に働いている」という万有引力を考えたことで有名です。 

ニュートンは、運動の三法則をまとめました。

その中の第一法則が、慣性の法則です。

この慣性の法則は、第二法則から導くことができます。 

運動の第二法則は、「物体に外力がはたらくとき、その合力の向きに加速度が生じる。加速度の大きさは合力の大きさに比例し、物体の質量に反比例する」というものです。

その式は「F=ma(F=力の大きさ、m=質量、a=加速度)」と表されます。 

 

慣性の法則は、「外力がはたらかないか、外力がつりあって合力が0のとき、静止している物体は静止を続け、運動している物体は等速直線運動をする」というものでした。

つまり、慣性の法則が成り立つ条件は、力が0であるということです。

ここで、上記の式のFに0を代入してみると、加速度aも0となります。

この「加速度が0」という状態が、慣性と呼ばれています。 

 

このように、ニュートンは、ガリレオが発見した慣性の法則を改めて整理しました。

ちなみに、運動の第三法則は「作用・反作用の法則」です。

これら3つの法則により、ニュートンは古典力学を完成させたと言われています。

たった3つの法則で私たちの身の周りにある運動を説明できるなんて、非常に素晴らしいことです。 

 

 

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学校で慣性の法則 

以上に述べた慣性の法則が、学校ではどのように教わっているのかを見ていきましょう。

中学校と高校とで、その扱い方は大きく異なります。 

 

中学での「慣性の法則」 

中学校では、「慣性の法則」という言葉が問われることがほとんどです。

運動方程式なども出てこないので、実際に計算して求めなさいといった問題ももちろん出題されません。

中学校では、慣性の法則の定義を抑えていれば十分でしょう。 

 

高校での「慣性の法則」 

しかし、高校では、運動方程式を学びます。

そして、物体にはたらく力を計算したりします。

これがなかなか大変です。

運動方程式の公式に当てはめるだけではなく、それぞれの力が何を示しているのかを意識しながら問題を解いておかないと、応用が利きません。

それゆえ、高校物理の問題を解くときには、正直かなり時間がかかります。

これから高校で物理を勉強する方も、「高校の勉強は理解して進めなければならない」ということを実感することでしょう。 

 

話が逸れましたが、高校物理でも、慣性の法則それ自体が問題として問われることはほとんどないと考えて良いでしょう。

なぜなら、慣性の法則が成り立っているときには、力と加速度が0であることが明らかだからです。

しかし、運動方程式を用いた計算を解かなければならないので、それが大変だということはすでに述べたとおりです。 

 

 

日常で感じる慣性の法則 

さて、今まで述べてきた慣性の法則ですが、我々の日常生活の中にもそれを感じ取ることができます。

ここでは、日常における慣性の法則を紹介していきます。 

 

車での急発進・急停車 

車に乗っているとき、止まっている状態から急発進をすると、自分の身体がシートの背もたれに押し付けられます。

これは、自分の身体は静止状態を続けているが、車だけが急に動き出したことによって起こります。 

また、一定のスピードで走っている車が急ブレーキを踏んで止まった場合、自分の身体が前のめりになってしまします。

これも、自分の身体は一定のスピードで動き続けていたが、車だけが急に止まろうとすることによって起こります。 

これらのことは、電車の急発進・急停車でも同じことが言えます。 

 

テーブルクロス引き 

テーブルクロス引きにも慣性の法則は表れます。

なぜテーブルクロスだけを取り除くことができるのかと言えば、テーブルクロスの上にあるお皿やグラスなどが静止状態を続けているので、テーブルクロスだけを素早く取り去るとお皿やグラスなどは元の位置のまま残されます。 

 

まとめ 

今回は、「慣性の法則」についてご説明させていただきました。

慣性の法則に関する歴史的経緯をもっと掘り下げて勉強していくと、円運動などのさらに難しいことも理解しなければなりません。

これから慣性の法則についてさらに知識を深めたい方は、まずは、上記のような基本的なことを理解できるようにしましょう。

 

また、身近にある慣性の法則も紹介しました。

私たちの周りには、当たり前だと思っていても実はなぜそうなるのかを知らないことがたくさんあります。

物理に限らず様々なことを学ぶことで、新しい視点で世界を見ることができます。

そうすると、新しく疑問も生まれてきて、それが学ぶ意欲にもつながります。 

この記事を読んでそういう人が一人でも増えれば望外の喜びです。 

■ この記事の監修者

礒田先生 東京大学 理学系研究科 生物科学専攻

オンライン家庭教師WAM講師。小・中は全科目対応。高においても国・数・英・物・化・地理と幅広く対応可。
受験生時代は浪人を経験し、その挫折経験が生徒への親身な対応に繋がっている。大学に入ってからも勉強することを怠らず、専門領域以外の知識をも身に付けている。その幅広い教養から繰り出される授業は必見・必聴。

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