「太郎くんは、毎分60mの速さで歩きます。太郎くんが900m歩いた時は、出発してから何分後でしょうか。」

 

小学5年生で習う、「速さ」の問題です。答えは「15分後」ですが、5年生では、「距離÷速さ=時間」で求められます。

しかし、6年生になると「距離=速さ×時間」で、求めたい部分を数ではなく「文字」を入れるようになります。

900m=60×として、(分後)と出てきます。中学生になると、それは「方程式」と名前を変え、求めたい数を文字で表した計算式になります。

学年が進むと、方程式の種類は何種類もある事に気付きます。

 

今回はその中で、中学3年生で習う「2次方程式」にフォーカスしました。

 

2次方程式とは

2次方程式とは

2次方程式を話す前に、中学1年と2年で習う方程式について、少しおさらいをしましょう。

1年生で習う「方程式」は、正確には「1元1次方程式」と言います。

形にすると、こんな形でしょうか。

 

ax+b=0

 

たいていの場合は、このように=0という形になっていない(3x-2=x+2のような形)とは思いますが、表す事はできます。

aやbやは、問題によって異なる係数で、求めたいものはです。

この、求めたい文字が1つの事を「1元」と数え、xが何乗されているかを表しているものが「1次」です。

2年生で習う「連立方程式」に関しては、xとyの2種類を使った方程式ですので「2元1次方程式」と呼ばれます。

3つめの文字を使い、3つの式を連立させた「3元1次方程式」などもありますが、解き方の基本は同じです。

 

では、中学3年生で習う2次方程式は、どのようなものでしょうか?

一般式として、次のようなものが挙げられます。

 

 

解きたい文字は1種類ですので、正確には「1元2次方程式」という呼び方が正しい呼び方になりますが、中学生までで2次方程式と言えば、「1元」の方程式ですので、名称からカットされる事が基本になります。

また、断り書きのように(a≠0)と書かれていますが・・・当然、a=0であれば1次方程式になりますので、このような断り書きがあります。「係数は自由だけど、が0だと成り立たないからね!」という事です。

 

そして、ここが重要!

これから先、もっと高次の方程式が出てくる事もありますが、例えば1次方程式は解が1つまで、2次方程式は解が2つまで・・・〇次方程式は解が〇つまで(それ以下もありえる)と、何次であってもそのルールは決まっています。

 

2次方程式を解くのに必要な知識

複雑そうに見える2次方程式ですが、主に3種類の解き方を駆使して、の値を求めていきます。その3種類のうち、2種類が同じく中学3年生で習う「因数分解」と「平方根」の知識を使った解き方です。

 

因数分解を使った解き方

因数分解とは

中学3年生になると、一番最初に習う数学の項目は「展開」というものです。

式が簡単な形になっていて、それを1つ1つの項にして、共通項の式同士はまとめるというものでした。

 

因数分解はその逆で、手順としては

1:共通因数でくくる(分配法則の逆)

2:公式を利用できるものは、さらに簡単な形にまとめる(さらなる分配法則の逆)

 

例として、以下の数式をを因数分解してみましょう。

 

 

まず、いずれも3の倍数ですので全体を3でくくります。

 

 

次に、足して7、かけて12になる数字の組み合わせを考えると、3と4があります。

 

 

と、因数分解する事ができます。

 

実際に解いてみる

では、実際に因数分解を利用して、2次方程式を解いてみましょう。

 

 

まずは右辺(=の右側)をにする事が大事です。

この式を因数分解すると

 

 

と、なります。

この時、右辺をにするためには、左辺の(x-2)か(x+4)を0にすれば、成り立ちます。

ですので、x-2=0と、x+4=0の両方を考えれば良い事になります。

ここまで来れば簡単ですね?

x=2とx=4が正解となります。

 

 

平方根を使った解き方

平方根とは

普段、何気なく使っている単位として、「㎠」「㎡」が挙げられます。

日本語で言うと、それぞれの単位に「平方」という言葉が使われていて、単位のほうには2乗を表す数字がつけられています。

平方根にも、同じ「平方」という言葉が使われていますよね。

これは「2乗したもの」という意味があります。

 

では「根」とは何でしょうか?

こちらは英語で言うとroot(根)という意味があります。

それらを合わせた「平方根」とは「与えられた数が2乗した数だとすると、その元となった数は何なのか?」という意味があります。

 

例えば「4」という数字ですが、これは2を2乗すれば出てくる数ですよね?

でも、-2を2乗しても、答えは4になります。

したがって、4の平方根は±2となります。

 

では問題ですが、2の平方根はと聞かれると、どうでしょうか?

実際に表せない数となるので、この場合は±√2(ルート2)と答えます。「2乗すると2になりますよ」という記号が、ルートという記号です。

 

平方完成

ではその知識を利用して、2次方程式を解いていきましょう。

 

 

因数分解できそうで、できない形です。この場合は、無理やりの形を作ります。

 

 

一旦、整数部分は右辺に移項します。

そして、左辺がの形にできるようにを両辺に加えます。

 

 

左辺をにすると

 

 

となり、両辺とも2乗の形を解いてやると

 

 

となります。-2を右辺に移項すると、x=2±√7という答えが導かれました。

 

解の公式を使った解き方

解の公式とは

今までは、既に習った数学の考え方での値を出してきました。

しかし・・・それが公式に当てはめると、一発で解けてしまうという魔法のような公式が存在します。

その名も「2次方程式の解の公式」という、名前だけ見ても「あ、これで解けちゃうんだ」と解る公式です。

上記の時、xを満たす数は、次のように表せます。

 

 

係数さえ解れば、が求められるという公式です!

 

実際に解いてみる

例えば因数分解の時に出てきた式や、平方完成で解いた式に、あてはめてみましょう。

 

 

a=1、b=2、c=-8なので

 

となり、正解になります。

 

 

では次に、平方完成に使った式です。

 

 

a=1、b=-4、c=-3なので

 

 

 

 

 

となり、やはり正解になります。

 

中学生では、ルートの中が負にならない限り、この公式は利用できます。

負になる場合は・・・高校以降のお楽しみとして、取っておいてください。

逆に言うと、ルートの中が負になるような問題は、中学生の間は出ませんので、安心して下さい。

 

 

公式を導き出す

ではなぜ、このような公式が成立するのか、実際に導いてみましょう。

注目する点は、a≠0という点と、平方完成にあります。

 

両辺をaで割ると →aは0でないので、割る事ができる。

 

となり、左辺を平方完成させるため、両辺にを加えると

 

 

 

平方完成をさせ、右辺の分母をに統一する。

 

 

 

 

4a^2の平方根は、±2aなので

 

 

を右辺に移項すると

 

 

 

となり、それぞれの係数だけで、を導き出す事ができます。

 

 

 

まとめ~解き方の工夫~

2次方程式ともなると様々な解き方ができますが、少し乱暴な事を言ってしまうと、解の公式を使えば必ず解けます。

しかし、係数をそれぞれ当てはめていく作業は、かなり練習してもすぐに解けるとは限らないでしょう。

そこで順番としては、今までに習った方法として

 

1:因数分解ができるか?

2:平方完成が簡単にできそうか?

3:1と2に該当しなければ、最終手段に解の公式を使う

 

このように順番を決めておくと、早く正確に解けるようになりますよ!

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