英語や数学に比べ、国語は勉強方法が分かりにくいと感じている人が多いのではないでしょうか。

また、定期テストでは高得点が取れるけれど、実力テストや模擬試験では国語の得点が思うように伸びないと嘆いている人も多いことでしょう。 

そこで今回は、そもそもなぜ国語の勉強方法が不明確であるのか、実はシンプルである国語勉強方法、分野別国語学習のポイント、この3点についてお話ししたいと思います。 

 

国語の勉強方法が不明確である理由 

 

国語1

1.単元学習ではなく、内容深化の学習であるから 

例えば、数学。

1年生の数量分野として、「正負の数・文字と式・方程式・比例と反比例」を学習します。

そして、2年生では、その知識をふまえて「式の計算・連立方程式・1次関数」を学習します。

学習すべき内容が単元として明示されているのです。 

ですから、その勉強方法としては、例えば「連立方程式」の場合、まず「連立方程式」とはどのようなものかを知り、その部分の基本問題を解き、応用問題として文章題を解くという手順を踏みます。

そして、応用問題で、「速さ」や「割合」「濃度」の部分が不確かであれば、小学校の算数に戻って、それを学び直ししていきます。 

一方、国語はどうでしょうか。

国語の教科書を見てみましょう。

1年生の国語。

「随筆・小説・説明文・記録文・詩・古文・漢文」というジャンルと、言語事項(漢字・文法・熟語)を学習します。

そして、2年生。

「随筆・短歌・小説・評論文・詩・古文・漢文」というジャンルと、言語事項(漢字・文法・熟語)を学習します。 

数学のように、そこで学ぶべき内容が単元として明示されておらず、学年で多少の違いはあるものの、要は、国語はジャンル別の文章読解と言語事項を学ぶということに集約されてしまうのです。

このことは、小学校の国語も、そして高校の国語も同様です。

文章読解と言語事項を学んでいくのが国語です。

違いは、学ぶ文章の内容が難しくなっていくことと、覚えるべき言語事項の量が増えていくことです。 

国語で学ぶ内容の「言語事項」の方は、勉強方法が分かりやすいと思います。

得意、不得意はあるものの、要はその言語事項を覚え(インプット)、問題演習を重ねて(アウトプット)、定着を図るという「暗記もの」の手順だからです。 

それに対して、「文章読解」は非常にあいまいで、細かい単元に分かれていないと感じ、どう勉強したらよいのかが分からないと思ってしまうのではないでしょうか。 

 

2.定期テストの勉強方法が身についているから 

当然ですが、定期テストでは、学校の授業で学習した内容が出題されます。

例えば、評論文の問題ですと、漢字の読み・書き取り、接続詞や副詞の空欄補充、指示語の内容明示、内容理解の選択肢問題、理由説明等の記述問題が出題されます。

そして、その勉強法としては、教科書の本文を読み、ノートを見返して書かれている本文の内容を再確認し、教科書準拠の問題集で自分の理解が正しいかを確かめるというのが一般的ではないでしょうか。

場合によっては、ノートを暗記するとか、問題集の解答を覚えるというのも勉強方法の一つとしてあるかもしれません。 

この勉強方法で、定期テストでは高得点を取ることができます。

しかし、実力テスト、模試、そして入試問題ではそういうわけにはいきません。

なぜなら、入試等の問題では初見の文章を読み、その中から答えを導き出さなくてはならないからです。 

定期テスト的な勉強法が染みついているため、いざ入試に向けて国語を勉強しようとしたとき、どう勉強すればよいのかが分からなくなってしまうのではないでしょうか。 

 

3.国語力が自然と伸びているから 

今、中学生の皆さんが小学校5年生の国語の問題を解いてみたとすると、おそらく問題をスラスラと解け、非常に易しいと感じるはずです。 

それはなぜか。

日々、日本語を使って生活しているため、知らず知らずの内に国語力が向上しているからです。

知識量、国語という教科的に言うなら、語彙量(知っている言葉の数)が小5の時に比べ、圧倒的に増えているからです。 

ここに、国語学習の弊害が生じます。

自然と国語力が向上しているため、国語は特に勉強しなくてもなんとかなるという過信であったり、国語はセンスだから勉強してどうこうなるものではないという誤解を生んでしまっています。そして、テスト勉強をそうしていないのに、国語のテストで高得点を取るという国語が得意な人がいるため、その考えが助長されています。 

しかし、実は国語が得意である人は、段階的に内容深化していく国語学習を、小学校時代からきちん積み重ねてきた人なのです。

だから、テスト勉強をあまりしなくとも、設問の意図を正確に読み取れ、本文中から正解を導き出すことができるのです。 

一方、国語で伸び悩んでいる人は、自然と国語力が向上しているため、自分のつまずきがどの時期であるのかが不明確となり、学び直しのポイントが見つけ出せず、どこから国語の勉強をし直さなくてはならないかが分からなくなっているのではないでしょうか。 

もっとも、国語は段階的に単元を追っていく教科ではないので、学び直しのポイントというものは実はありません。

そこを気にする必要は全くないのです

。むしろ、注意すべきは、自然と国語力が伸びているため、他の教科に比べて危機感が薄くなり、他教科より演習量が少ないこと、そして、日常的に使用している言語であるため、正確に文章を読み取れていないにもかかわらず、なんとなく読み取れた気になってしまっていることではないでしょうか。 

 

実はシンプルである国語勉強方法 

結論から先に言ってしまうと、「少し易しいと感じる問題集を、自分の解答に自分自身が納得できるまでじっくりと時間をかけて解く」という勉強方法です。 

「少し易しい」というのは、具体的には今の学年より1つか、2つ下ぐらいです。

また、分厚いものではなく、例えば、塾などで使っているサマーテキストのような薄っぺらな問題集に取り組んでみて下さい。 

その理由は以下によります。 

 

1.正確に文章の内容を読み取るため

例えば、「この長方形の周の長さは何センチですか」という小学4年生の算数の問題において、「周」という言葉を知らないとこの問題は解けません。

同様に、知らない言葉があるために文章の内容を読み取れなくなることを防ぐという意味で、自分にとって少し易しいと感じる問題集を解いて下さい。 

じっくり時間をかけてというのも、まず正しい文章理解が解答の第一歩であるからです。

もし知らない言葉があって、そのために文章の理解が進まないようでしたら、辞書で調べて下さい。

あいまいな読み取りでは正しい解答などできるはずはないのですから。 

 

国語2

 

2.解答として何が求められているのかを知るため

じっくり時間をかけてというのは、文章を正確に読み取るためであるとともに、設問の出題意図を推し量るためです。

問題集には、解答の目安時間が記されているものも多いですが、目安時間を気にすると、浅い考えのまま解答することになり、そういう浅い考えはいくら積み重ねても深い考えには至りません。

せいぜい「勘(カン)」が養われるにすぎません。 

選択肢問題においては、なぜその選択肢を選んだのかの根拠を明確にした上で、選んで下さい。

記述問題においては、解答として何が求められているのかを深く考察した上で解答して下さい。

「ただなんとなく」では全く国語力は身につきません。

逆に深く考えた末の解答であれば、たとえそれが間違っていたとしても、答え合わせの際に「ああ、そうだったのか」という気づきを実感でき、国語問題の解き方を身につけることにつながります。 

 

3.問題パターンを見抜くため

内容深化の学習である国語は、問題のパターンが他教科に比べ、極端に少ないです。

一つ一つの問題にじっくり時間をかけて解くことで、国語の問題パターンがどのようなものであるかを体得して下さい。 

あえて乱暴な言い方をするなら、設問部分の同意表現(似た意味を表している表現)を探し出すことが国語問題の解き方であると気付くはずです。 

他教科と違って、国語は答えが問題文の中に書かれています。

問題文の中に隠されている正解を見つけ出すことが国語問題の解き方であり、問題バターンは限られています。

次の「分野別国語学習のポイント」を参考にして、まずはうすっぺらな問題集に膨大な労力を費やしてみて下さい。 

 

国語が苦手である人は、突きつめて問題を解くことをしてこなかったためです。

一度、突きつめて問題を解いてみると、国語問題の解き方の輪郭が見えてきます。

そして、それ以降は問題演習を重ねるごとにその輪郭がはっきりとしてきます。

そうなれば、簡単に答えを導き出せるようになり、解くスピードもぐんぐん上がっていきます。 

それは自転車の練習と同じです。

初めは苦労して大変だけれども、一度乗れるようになれば、あとはスイスイと乗りこなすことができるようになります。 

 

分野別国語学習のポイント 

 

国語3

1.評論文 

評論文は、専門家である筆者が自分の考え・主張を一般の人に分かってもらうために書いた文章のことです。

よって、筆者の主張は何かを押さえることが大切です。 

「二項対立」の構造を把握する

筆者が何かを主張する背景には、必ずそれに対立する「一般論」があります。

「みんなはこう思っているかもしれないが、実は私はこう考えている」とか、「みんなは意識していないかもしれないが、このことにはこういう意味があると私は考える」とかです。 

一般論が当たり前すぎて書かれていないこともありますが、評論文では主張を分かりやすくするために対立する項目を挙げることが多いです。

「筆者の主張」対「一般論」の対比関係を意識することで、筆者の主張が明確になります。 

「論」と「例」に注目する

筆者は自分の主張を分かってもらうために、例示や引用、例えなどを記します。

この「論」と「例」をしっかり意識することで、文章全体の構造が明らかになります。

 

・「論」=筆者の意見・考え(抽象的) 

・「例」=「論」をサポートする例示・引用・比喩(具体的) 

 

そして、「論」と「例」の見極めるために最重要なのが「接続詞」です。 

「だが、しかし、けれども」の逆接の接続詞の後には筆者の主張がくることが多くあります。 

「要するに、つまり」の説明の接続詞の後は、抽象的な「まとめ」の文章がきます。 

「たとえば」の例示の接続詞の後は、具体例の文章がきます。 

 

2.小説 

時間」の流れの中で、ある「出来事」をきっかけに、その前後で「登場人物」の「心情」が変化し、その「心情」の変化によって登場人物の「行動」が生まれる。

それが小説です。 

「出来事・心情・行動」の3つを正確にとらえることが求められます。

そして、小説読解の中心は「心情理解」です。

そして、さらに小学校の時とは違い、「うれしい」「悲しい」という感情を表す言葉が生のまま記されることはまれです。

書かれていないが、隠されている心情を文章中より見つけ出すことが必要となります。 

①「論理的必然性」に基づいて「心情」の根拠を探す 

「私だったらこう感じる」という思いは一切排除して下さい。

たまたま、登場人物の心情に一致する場合があるかもしれませんが、教科としての「国語」です。

あくまで論理的必然性に基づき、本文中から「心情」の根拠を探し出さなくてはいけません。

「心情」が読み取れるのは「行動・セリフ・情景描写」からです。

情景描写という言葉は分かりにくいかもしれません。

情景描写とは、登場人物が眺めている景色や光景、また登場人物の周りに広がる自然描写のことです。

「ふと目を上げると、真っ黒な雨雲がたちこめていた」から、その人物の暗く、沈んでいる気持ちが伝わるといった感じです。 

何についての話なのかを整理する

小説理解において、細かい描写を正確におさえると同時に、全体としてどういう物語であるのかという全体把握を心がけるようにしてください。

できれば「○○が○○の時○○と○○した話」といったように一文でまとめることをして下さい。

入試問題において、出題者がどういう話として読ませたいのかを意識しないと、選択肢に惑わされて読みの方向性を狂わされ、全バツになる可能性があるのが小説問題です。

全体把握を意識することで、大きな取りこぼしの危険性は低くなります。 

 

3.随筆 

随筆とは、筆者の体験や経験などを踏まえて自身の考えを自由に記した文章のことです。

筆者の考えが述べられているという点では、評論文と重なるのですが、評論文のように客観的な根拠が必ずしも書かれているわけではなく、筆者が自分の思いを丸投げしているのが随筆です。

文章のジャンル分けでいうと、「評論文」のような「説明的文章」と「小説」などの「文学的文章」の中間に位置します。個々の文章により、「評論文」寄りであったり、小説寄りであったりします。

よって、随筆は「評論文」的な読み取りと、「小説」的な読み取りの両方が必要となります。 

 

4.古典(古文と漢文) 

大阪の公立入試において分量は少ないながら、配点がそれなりに高いのが古典です。

古典学習については、必要な知識がインプットされており、適切にアウトプットできるかが学習のポイントとなります。

 

 具体的には 

①古文 

 ・歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに正確に変換できること

 ・基本的な文法事項を暗記していること(係り結びの法則、「ば」の訳し方、「の・ぬ」の識別) 

 ・代表的な古文単語を暗記していること(「いと、あはれなり、をかし、驚く」など少なく見積もって                                            約100語程度) 

②漢文 

 ・返り点にしたがって、読むことができ、読みにしたがって返り点が打てること 

 ・訓読の際、ひらがな書きになる助動詞を理解していること(不・可) 

 ・訓読の際、直接には読まない、置き字を理解していること(於・矣) 

 

 

まとめ 

数学や英語のような単元学習でないため、国語学習はシステマチックではないと感じている人は多いのではないでしょうか。

しかし、逆に考えれば、英語や数学は、例えば「現在完了」や「因数分解」という複雑な知識をまず理解し記憶しておかなくてはその学習を進めることができないのに対して、国語は「さあ、やるぞ。」という気持ち一つあれば、学習をいつからでも始めることができます。

また、日常的に日本語を使用して生活しているため、小学生レベルの語彙力は既に身についており、学び直しの必要もありません。

後はどれだけ深く、問題に向き合うかです。

一つの問題(小説でも評論でもどちらでもかまいません)にとことん向き合い取り組むことで、見えてくるものがきっとあります。

そうして、問題パターンがそれほど多くないので、一旦いくつかの解法の手順を身につけたら、あとはぐんぐん成績があがっていくのが国語です。

ぜひ、トライして下さい。 

 

今回、国語が苦手な人は、文章読解が苦手である人だと感じ、文章読解が中心の話となってしまいまいました。

古典関係や言語事項についての記述が足りなかったことを深くお詫びいたします。

また、機会がありましたら、次回はその部分についての話をしたいと思っております。 

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