関係詞というと苦手な人も多いのではないでしょうか。 

確かに日本語ではない概念なので、理解するのに時間がかかるかもしれません。 

しかし、1つ1つの用法をきちんと学んでいけばきっと理解できるはずです。 

今回は関係詞の継続用法について紹介していきます。 

 

関係代名詞

関係代名詞の継続用法 

継続用法とは 

関係代名詞を2つに分けると、制限用法と継続用法になります。 

言葉ではイメージしにくいと思うので一度例文をみてみましょう。 

 

制限用法 

I remembered a book which he liked. 

私は彼が好きだった本を思い出した。 

 

継続用法 

I remembered a book, which he liked. 

私は本を思い出した、そして彼はその本が好きだった。 

 

簡単に言うと最初に学習する関係代名詞の用法が 

制限用法…関係代名詞の働きにより先行する名詞「a book」を関係代名詞以下で修飾することによってただの本ではなく「彼が好きな」本となり対象が絞られます 

よってこの用法を制限用法と言います。 

 

一方で「,」のついた関係代名詞はちょっと意味が異なってきます。 

この場合は先行する名詞「a book」までが一度文として完結し、その後の関係代名詞以下の部分が補足情報を足すといったイメージです。 

つまり、名詞の意味を制限しているのではなく情報を付け足しています 

この用法を継続用法と言います。 

 

継続用法ではthatが使えない?

関係代名詞の制限用法で使う関係詞は覚えていますか?
先行詞が「人」なのか「人」以外なのかによって、目的格なのか主格なのか所有格なのかによって変わってきます。 

 

以下の表を覚えましょう! 

先行詞  主格  目的格  所有格 
  who/that  who(m)/that  whose 
人以外  which/that  which/that  whose 

 

制限用法では使い分けの必要のない「that」が便利でしたが継続用法では使えません! 

つまり「, that」というものは存在しないので注意しましょう。 

 

継続用法と制限用法の訳し方の違い 

制限用法ではこれまで学習してきた関係詞の基本的な訳し方です。 

以下の例文で復習していきましょう。 

 

I called a woman who was sitting next to me. 

私は隣に座っていた女性に電話をした。 

 

このように先行する名詞を修飾するように訳します。 

 

では、継続用法ではどのように訳すのでしょうか。 

継続用法は主に3種類の訳し方があります。 

 

関係代名詞

 

①逆接 

She bought a book, which was not so interesting. 

彼女は本を買った、しかしその本はそれほど面白くなかった。 

 

「,which」の前後の文の関係を考えてみましょう。 

上の文では前後で逆接の関係になっているので「しかし」と訳します。 

 

②順接 

この訳し方が一番わかりやすいと思います。 

この場合も関係詞の前後での文の関係を考えてみましょう。 

 

I talked with a woman, whose sister lived in Kyoto. 

私は女性と話しました。そしてこの女性の姉は京都に住んでいます。 

 

単純に先行詞についての情報を補足しています。 

 

③理由 

最後にちょっと特殊な訳し方です。 

I invited him, who I wanted to get along with. 

私は彼を招待した、というのは彼と仲良くなりたかったからだ。 

 

このように前後の文の関係が理由になっているので「~からだ」と訳したほうがしっくりきますね。 

 

このように継続用法を訳すときは関係詞の前後の文の関係に着目しましょう。 

 

関係副詞の継続用法 

関係副詞にも継続用法はある! 

関係代名詞と同様に関係副詞にも継続用法が存在します。 

基本的な訳し方は関係代名詞と同じように「,where」「,when」の前後で区切り、前後の文の関係で「そして」「しかし」といったようにつなぎます。 

 

whenの継続用法 

まずは例文をみていきましょう。 

I visited Karen yesterday, when she was studying. 

私は昨日カレンを尋ねた、しかし彼女は勉強中であった。 

 

, when」の前後の文の関係を考えてスムーズに訳します。 

「, when」は「and then」「but then」と置き換えて訳すとうまくいくことが多いです。 

 

whereの継続用法 

「where」も「when」と基本的な考え方は同様です。 

I went to the house, where I had baked some bread before. 

私は家に行った、そこで私は以前にパンを焼いたことがある。 

 

関係副詞の前後の文の関係を考えて訳していきます。 

「, where」は「and there」もしくは「but there」と置き換えて訳すとうまくいくことが多いです。 

 

関係代名詞の制限用法をしっかりと理解しておけば関係副詞も同様に理解できると思います。 

ちなみに関係副詞の「why」「how」には継続用法は存在しないので注意しましょう。 

 

さまざまな関係詞 

関係詞とは 

関係詞には主に2つの役割があります。 

①2つの文をつなぐ役割 

②名詞、形容詞、副詞のいずれかになり先行詞を修飾する役割 です。 

 

この関係詞はさらに 

・関係代名詞 

・関係形容詞 

・関係副詞  に分けられます。 

 

関係代名詞、関係副詞については上で説明した通りです。 

関係形容詞は文中でもそこまで多くは登場しないのですが簡単に説明しておきます。 

 

関係代名詞

 

関係形容詞 

関係形容詞は接続詞+形容詞の役割をもつ関係詞のことです。 

関係形容詞は「what」「which」の2つのみです。 

「what」は基本的に「what+名詞」で使い「…するすべての~」と訳します。 

 

I gave him what money I could. 

私は彼にあげられるすべての金を渡した。 

 

「which」は「, which+名詞」で使い、「…そしてその~は」と訳します。 

 

She wore a beautiful shirt, which it looked so expensive. 

彼女は美しいシャツを着ていたが、そのシャツはとても美しかった。 

 

あまり登場頻度は高くないですが余裕があれば覚えておきましょう。 

 

複合関係詞 

複合関係詞は「関係詞+ever」で名詞節、副詞節を作ります。 

「~であっても」「~でも」のように譲歩で訳します。 

まずは書き換えを覚えましょう。 

 

【複合関係代名詞】 

・whichever どれが~しても = no matter which 

・who(m)ever 誰が~しても = no matter who(m) 

・whatever  何が~しても  = no matter what 

 

【複合関係副詞】 

・wherever  どこへ~しても =  no matter where 

・whenever   いつ~しても  = no matter when 

・however  どんなに~しても = no matter how 

・whyever(稀) 理由が何であれ = no matter why 

基本的に「no matter」を付けると覚えておきましょう。 

 

複合関係代名詞 

複合関係代名詞の用法は名詞節、副詞節に分けられます。 

まずは名詞節について説明していきます。 

 

名詞節 

複合関係代名詞の名詞節は名詞と同様に主語、目的語、補語の3つの用法があります。 

ここでは主に使われる主語、目的語の用法の例文について紹介していきます。 

 

Whoever like sports can join the meeting. (主語) 

スポーツが好きな人は誰でもその会議に参加することができます。 

 

You can buy whatever you want. (目的語) 

あなたが欲しいものなんでも買っていいよ。 

 

副詞節 

複合関係代名詞は副詞節の役割をすることもあります。 

あまり、副詞節と意識せず名詞節と同様の日本語訳を当てはめて訳してみましょう。 

また、書き換えも一緒に覚えてしまいましょう。 

 

Whatever happens, I can’t stop it. 

=No matter what happens, I can’t stop it. 

何が起こっても私はそれをやめられない。 

 

She doesn’t buy whichever he recommends. 

She doesn’t buy no matter which he recommends. 

彼女は彼がどちらを勧めても買わない。 

 

複合関係副詞 

複合関係副詞は「副詞節」のみを作ります。 

複合関係代名詞と同様に「no matter +関係詞」の書き換えが可能です。 

 

Wherever you go, I will help you. 

=No matter where you go, I will help you. 

あなたがどこに行っても私はあなたを助けます。 

 

However big the dog is, I want to walk with it. 

No matter how big the dog is, I want to walk with it. 

どんなに犬が大きくても私は散歩に連れていきたい。 

 

複合関係形容詞 

あまり登場頻度は高くないですが複合関係形容詞についても紹介していきます。 

複合関係形容詞は「whatever」「whichever」の2つで名詞節としての役割を果たします。 

whatever+名詞=any+名詞+thatで書き換えることができます。 

 

No one believed whatever promise he made. 

=No one believed any promise (that) he made. 

誰も彼がした約束を信じなかった。 

 

このように各用法によって意味は変わってきますが基本的には譲歩を表します。 

日本語訳は共通しているので覚えやすいのではないでしょうか? 

 

まとめ

今回は関係詞の継続用法について紹介してきました。 

どの関係詞でも関係詞の前に「,」がつくこと、関係詞の前後の文の関係を見て順接もしくは逆接で訳すのがポイントです。 

また複合関係詞は譲歩の意味を表すこと、書き換えがあることを覚えておきましょう。 

一見むずかしいため取っつきにくいとは思いますが頑張って理解していきましょう。 

 

関係詞の継続用法 頑張って

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