2次方程式の解き方~因数分解・平方完成・解の公式~
こんにちは!オンライン家庭教師WAMです(^^)/
中学生になると、「1次方程式」「連立方程式」「2次方程式」と複数の方程式を習いますね。
今回はその中から、中学3年生で習う「2次方程式」についてお話したいと思います。
Contents
2次方程式とは
方程式について
2次方程式を話す前に、中学1年と2年で習う方程式について、少しおさらいをしましょう。
1年生で習う「方程式」は、正確には「1元1次方程式」と言います。
〈〇元〉は文字の数で、〈〇次〉は文字が何乗されているかを表します。
例えば、〈5x+1=0〉であれば、文字はxのみ、乗数は1なので「1元1次方程式」、
〈3x²+5=0〉であれば、文字はxのみ、乗数は2なので「1元2次方程式」となります。
2年生で習う「連立方程式」に関しては、xとyの2種類を使った方程式ですので「2元1次方程式」と呼ばれます。3つめの文字を使い、3つの式を連立させた「3元1次方程式」などもありますが、解き方の基本は同じです。
2次方程式とは
では、中学3年生で習う2次方程式は、どのようなものでしょうか?
一般式として、次のようなものが挙げられます。
解きたい文字は1種類ですので、正確には「1元2次方程式」という呼び方が正しい呼び方になりますが、中学生までで2次方程式と言えば、「1元」の方程式ですので、名称からカットされる事が基本になります。
また、断り書きのように(a≠0)と書かれていますが・・・当然、a=0であれば1次方程式になりますので、このような断り書きがあります。「係数は自由だけど、が0だと成り立たないからね!」という事です。
そして、ここが重要!
これから先、もっと高次の方程式が出てくる事もありますが、例えば1次方程式は解が1つまで、2次方程式は解が2つまで・・・〇次方程式は解が〇つまで(それ以下もありえる)と、何次であってもそのルールは決まっています。
2次方程式を解くのに必要な知識
複雑そうに見える2次方程式ですが、主に3種類の解き方を駆使して、の値を求めていきます。その3種類のうち、2種類が同じく中学3年生で習う「因数分解」と「平方根」の知識を使った解き方です。
因数分解を使った解き方
因数分解とは
中学3年生になって、一番最初に習う数学の項目は「展開」というものです。
式が簡単な形になっていて、それを1つ1つの項にして、共通項の式同士はまとめるというものでした。
因数分解はその逆で、手順としては
1:共通因数でくくる(分配法則の逆)
2:公式を利用できるものは、さらに簡単な形にまとめる(さらなる分配法則の逆)
となります。
例として、以下の数式をを因数分解してみましょう。
まず、いずれも3の倍数ですので全体を3でくくります。
次に、足して7、かけて12になる数字の組み合わせを考えると、3と4があります。
と、因数分解する事ができます。
実際に解いてみる
では、実際に因数分解を利用して、2次方程式を解いてみましょう。
この式を因数分解すると
と、なります。
右辺を0にするためには、左辺の(x-2)か(x+4)を0にすれば、成り立ちます。
ですので、x-2=0と、x+4=0の両方を考えれば良い事になります。
ここまで来れば簡単ですね?
x=2とx=-4が正解となります。
2次方程式の解き方について
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平方根を使った解き方
平方根とは
普段、何気なく使っている単位として、「㎠」「㎡」が挙げられます。
日本語で言うと、それぞれの単位に「平方」という言葉が使われていて、単位のほうには2乗を表す数字がつけられています。
平方根にも、同じ「平方」という言葉が使われていますよね。
これは「2乗したもの」という意味があります。
では「根」とは何でしょうか?
こちらは英語で言うとroot(根)という意味があります。
それらを合わせた「平方根」とは「与えられた数が2乗した数だとすると、その元となった数は何なのか?」という意味があります。
例えば「4」という数字ですが、これは2を2乗すれば出てくる数ですよね?
でも、-2を2乗しても、答えは4になります。
したがって、4の平方根は±2となります。
では問題ですが、2の平方根はと聞かれると、どうでしょうか?
実際に表せない数となるので、この場合は±√2(ルート2)と答えます。「2乗すると2になりますよ」という記号が、ルートという記号です。
平方完成
ではその知識を利用して、2次方程式を解いていきましょう。
因数分解できそうで、できない形です。この場合は、無理やりの形を作ります。
一旦、整数部分は右辺に移項します。
そして、左辺が一次式の2乗の形にできるようにを両辺に4を加えます。
左辺を平方完成にすると
となり、両辺とも2乗の形を解くと
となります。-2を右辺に移項すると、x=2±√7という答えが導かれました。
解の公式を使った解き方
解の公式とは
今までは、既に習った数学の考え方での値を出してきました。
しかし・・・それが公式に当てはめると、一発で解けてしまうという魔法のような公式が存在します。
その名も「2次方程式の解の公式」という、名前だけ見ても「あ、これで解けちゃうんだ」と解る公式です。
上記の時、xを満たす数は、次のように表せます。
係数さえ解れば、xが求められるという公式です!
実際に解いてみる
この記事の、因数分解の時に出てきた式や平方完成で解いた式に「2次方程式の解の公式」あてはめてみましょう。
a=1、b=2、c=-8なので
となり、正解になります。
では次に、平方完成に使った式です。
a=1、b=-4、c=-3なので
となり、やはり正解になります。
中学生では、ルートの中が負にならない限り、この公式は利用できます。
負になる場合は・・・高校以降のお楽しみとして、取っておいてください。
逆に言うと、ルートの中が負になるような問題は、中学生の間は出ませんので、安心して下さい。
公式を導き出す
ではなぜ、このような公式が成立するのか、実際に導いてみましょう。
注目する点は、a≠0という点と、平方完成にあります。
両辺をaで割ると →aは0でないので、割る事ができる。
となり、左辺を平方完成させるため、両辺にを加えると
平方完成をさせ、右辺の分母をに統一する。
4a^2の平方根は、±2aなので
を右辺に移項すると
となり、それぞれの係数だけで、を導き出す事ができます。
まとめ~解き方の工夫~
2次方程式ともなると様々な解き方ができますが、少し乱暴な事を言ってしまうと、解の公式を使えば必ず解けます。しかし、係数をそれぞれ当てはめていく作業は意外と難しいんです。
そこで解く順番としては、
1:因数分解ができるか?
2:平方完成が簡単にできそうか?
3:1と2に該当しなければ、最終手段に解の公式を使う
が良いかと思います。
参考にしてみてくださいね。