ケアレスミスをなくす方法 

1.はじめに 

普段の勉強の中で、ケアレスミスをしてしまう生徒がいます。

算数や数学に特に多く、その代表的なものが「計算ミス」でしょう。

解いている本人も、それを見た周囲の大人たちも、そういった間違いを「ケアレスミス」と認識しています。

しかし、その認識が誤っている場合もあります。

実はケアレスミスではなく、そもそも計算の仕方が分かっていなかった、なんてこともあります。  

他の教科についても言えることですが、ミスを減らしたい・無くしたいと多くの人が考えていると思います。

以下では、「ケアレスミス」という言葉の意味を確認した後、その原因と対策を述べていきます。 

 

 

2.ケアレスミスはなぜ起こる? 

(1)ケアレスミスとは 

まずは、本文のテーマである「ケアレスミス」の意味を確認していきます。

直訳すると、「不注意による間違い・誤り」という意味になります。

つまり、「注意をしていれば防げたはずの間違い・誤り」のことを言います。 

ケアレスミスにはこういった意味があり、それゆえ多くの人が「仕方のないミス」「ちょっとしたミス」と捉えてしまいがちです。

しかし、その認識は改めた方が良いでしょう。

というのも、ケアレスミスを上記のように捉えてしまうと、それを改善しようとする気持ちが生まれにくくなってしまいます。 

ケアレスミスとはいえ、間違いであることに変わりありません。

間違いを軽くとらえて放置するのではなく、改善してこそ意味があります

そして、改善するには原因を正確に捉える必要があります。

 

(2)ケアレスミスをする原因 

ケアレスミスという言葉の意味から当然に導かれる原因として「注意力が散漫になっている」ということも挙げられます。

しかし、注意力不足という原因が分かったとしても、原因があまりにも抽象的であるために、それへの対策も抽象的にならざるを得ません。

そうなると、どういう対策が有効なのかも明確にできません。 

ケアレスミス1

 

そこで、以下では、ケアレスミスをしてしまう原因をなるべく具体的に挙げていきます。

ケアレスミスをする人の特徴は、いくつかに分類できます。

まずは、自分のミスの原因を特定し、そこから改善につなげていきましょう。 

 

①問題文を読んでいない 

言うまでもないことですが、問題文の指示に従わない解答はすべて間違いとみなされます。

必ず問題文は全部読むことを心掛け、「どういう答え方をすれば良いのか」を把握したうえで解答しましょう。 

 

②途中式を書かない 

算数や数学など、計算をしなければならない問題を解くときには、途中式を省かずに書くことを徹底しましょう。

特に習ったばかりの単元であればなおさらです。 

ただし、途中式を書くことを徹底して、確実にその計算をできるようになったのであれば、途中式を省いても構いません。

逆説的に聞こえますが、「途中式を省いてもよい人とは、途中式を書き続けてきた人」なのです。 

 

③字が汚い 

計算ミスをする原因として、字が汚いことが挙げられます。「

0」と「6」、「4」と「9」などの数字の判別が自分でもできない生徒が時々います。

達筆で書く必要はないので、せめて読みやすい字を書くようにしましょう。 

また、筆算などの計算をする際には、字を大きく書くことも重要です。

字が小さいと、どうしても数字が見づらくなってしまい、それが原因で計算ミスをしてしまった、なんてこともありますので気を付けましょう。 

 

3.ケアレスミスをなくすには? 

さて、ケアレスミスをする原因を3つ挙げましたが、これらはいずれも技術的な原因です。

ですから、それぞれに対応した対策をしていけば改善できます。

以下、簡単に対処法を述べておきます。 

 

①問題文を丁寧に読む 

どの教科にも言えることですが、問題文の指示には従わなければなりません。

国語であれば、「~とありますが、それはどういうことですか。文中の言葉を使って説明しなさい」という設問であれば、解答には必ず文中で使われている言葉を使って説明することと、「~ということ」という形で解答を終えなければなりません。

文中に使われていない言葉を勝手につけ足したり、「~である」といった書き方をしては、読み取る内容が間違っていなくても残念ながら不正解になってしまいます。 

また、記号問題の場合、必ず「〇と△のどちらですか」と書かれているので、〇か△かのどちらかで答えなければなりません。

よくある間違いとして、例えば、植物の呼吸と光合成の問題で、アの空欄に呼吸、イの空欄に光合成と答えたとします。

そして次の問題では、「植物が一日中行っている活動は、アとイのどちらですか」と聞かれたとします。

そのときに、解答欄に「呼吸」と書いてしまう生徒が意外と多いです。

もちろん、植物が一日中行っている活動は「呼吸」で間違いないのですが、この場合は「ア」と答えるのが正しいのです。 

こういった間違いをする生徒は、問題文の「植物が一日中行っている活動」の部分だけを読んで解答を埋めています。

特にテストになると、時間内に解き切ろうとして焦ってしまい、「何を答えるのか」に汲々として「どう答えるのか」にまでは気が回っていないことが多いです。

まずは内容的にも形式的にも正確に答えることを意識し、そのあとでスピードアップを図りましょう。 

 

②途中式はすべて書く 

途中式を書く場合と頭の中だけで計算する場合とでは、当然途中式を書く方が計算の正答率は高くなります。

途中式を書いた方が、特に複雑な計算の場合、自分の書いた数字を目で見て確認することができます。

しかし、頭の中だけで計算してしまうと、答えを書く際には先ほど計算した数字などが頭から抜け落ちてしまう場合があります。

特に多いのが符号ミスです。

例えば二次方程式の問題を解くときに、頭の中で因数分解をして、さらに符号の変換をして・・・ということになると、さっき因数分解した式の符号を見落としてしまったりします。 

途中式を省く生徒の特徴としては、「面倒くさがり」というものがあります。

そういった生徒は、「とにかくさっさと終わらせたい」という気持ちが強いため、また「間違えた問題は必ず解き直しをしよう」という視点が欠けているため、途中式を書かずに計算ミスをしても「次からは途中式を書こう」とは考えません。

「勉強の目的は早く終わらせることではなく、できないことをできるようにすること」という認識をまず持ちましょう。 

 

ケアレスミス2

③字はきれいに書く 

字を大きく・きれいに書くことで、計算ミスは減ります。

筆算をするときにくり上がりやくり下がりの数字はどうしても小さくなってしまうので、もともとの筆算を大きめに書くようにしましょう。

また、自分でも判別できない字を書かないように強く意識しましょう。

「自分が読めれば良い」と言う生徒もいますが、そもそも文字というものは、他者への意思伝達のための手段なので、他者が読めるように配慮して書くということは他者に対する最低限の礼儀です。

学校のテストに関して言えば、読みやすい字を書くことはテストの採点をしてくれる先生への最低限の礼儀です。

それを忘れないでください。 

 

4.おわりに 

この記事では、ケアレスミスという言葉の意味から始まり、ケアレスミスをしてしまう原因とその対策について述べてきました。

いずれも今日から改善できることですので、是非改善していってください。 

さて、対策の部分において、「意識する」という言葉を使いましたが、実はこれが一番重要だったりします。

ケアレスミスを軽く捉えずに、改善しようと強く意識することが大事です。

最後は精神論で締めくくることになってしまいましたが、やはりミスをした当の本人がミスをなくそうとする姿勢が重要です。 

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