こんにちは!オンライン家庭教師WAMです(^^)/

 

2020年からの新型コロナウイルスや近年の物価上昇などの影響で、経済活動から私たちの日常生活に至る様々なところで、今までとは違う変化を求められることが多くなっています。

そのような中でも最低限度の生活を維持できているのは、日本という国が存在し、そこに所属していることによって、多種多様な社会保障を受けることができているから、ということが考えられます。

 

今回は、その社会保障の種類やどのような場面で活用されるのかを確認していくと共に、その根本である日本の財政の仕組みがどのようなものになっているのかということについてもお伝えしていきたいと思います。

 

 

財政1

 

 

1.「財政」とは何か

さて、一口に「財政」とはいっても、それはそもそもどういうものなのでしょうか。

当然、これは公的なものだけでなく、個人や家計、企業にもあてはめられる言葉ではあるのですが、公的なものに限ったことでいえば、精選版日本国語大辞典に以下のような説明があります。

 

国または地方公共団体が、その存立に必要な財力を取得し、これを支出、管理する経済的諸行動。行政活動および公共政策の物質的基礎となる。

 

一読しただけでは分かりにくいですが、我々の暮らしは、物やサービスを売買して利益を得るという市場経済の上に成り立っています。

しかし採算が取れないという理由で、

ゴミを回収してくれない

道路も作ってもらえない

消防署もない

・・・ということになったら、生活に多大な支障が生じることが予想されます。

そうならないために、我々が安心して暮らせるよう公的サービスを行うのが、国や地方公共団体です。そして、国や地方公共団体が行う経済活動、それが「財政」といわれているものになります。

 

「財政」の意味の中に「必要な財力を取得し」とありますが、これは「歳入」といわれます。

その中身は、令和元年度の数値を元にしてお伝えすると、その約62%が所得税や法人税、消費税などの「租税・印紙収入」、約32%が「公債金」、つまり国の借金となっています。

逆に「歳出」は、その約77%が基礎的財政収支対象経費といって、地方交付税交付金等、社会保障関係費や公共事業関係費、文教及び科学振興費等となっており、残りが国債費、つまり国債を返したり利子を払ったりするための費用となります。

 

さて、ここまでお伝えして、日本の借金は一体いくらぐらいなのだろうと気になった方もいると思います。

その額、2021年時点で1,212兆4,680億円を上回ると言われています。

途方もない金額ですね。

どうしてここまで膨れ上がってしまったかというと、90年代に入ってから起こったバブル崩壊と呼ばれる急激な景気後退のためです。その後、消費増税や金利を引き上げたりと赤字脱却のための動きはありますが、現在のところ功を奏してはいません。

 

そうして、その赤字を埋めるために行われているのが、「国債の発行」です。

国債とは「国庫債券」の略語で、国は国債を発行して、それの買い手である投資家からお金を借りることになります。日本国債の96%は国内の証券会社や銀行、保険会社が保有しており、個人向け国債といって個人でも買うことはできるのですが、ほとんどが金融機関に買われています。

その金融機関の原資となっているのは、我々が銀行に預けた貯蓄や保険会社に支払う保険料になりますので、間接的ではありますが、国民が国債を保有して、国にお金を貸しているようなものだともいえます。

90年代半ば以降、ほぼ毎年、景気対策として20兆円以上の国債発行が行われています。

政府の金融資産や対外純資産などもあり、今すぐに日本が財政破綻するわけではないですが、この赤字は解決しなければならない大きな課題です。

 

 

2.税金にはどのようなものがある?

 

財政2

 

上記でお伝えたように、「財政」の根本は税金で賄われていますが、その税金にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは、その種類を具体的にお伝えしていきます。

 

まず税金は大きく分けて2つに分類されます。

課税主体が国である「国税」と、地方公共団体である「地方税」です。

 

「国税」には所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税、酒税、たばこ税、自動車重量税があります。1年間の所得から個々の事情を考慮して計算された課税所得によって決まる所得税、会社の所得に課される法人税、亡くなった人から財産を相続されたときに課される相続税、個人から財産をもらったときにもらった人が負担する贈与税、商品を買ったときやサービスの提供を受けたときにかかる消費税、残りは酒、たばこ、自動車にそれぞれ課される税金となっております。

 

「地方税」には都道府県民税、事業税、市町村民税、固定資産税などがあります。

都道府県民税は、自治体が住民サービスなどを行う目的としてかかる税金で、個人の住所、法人の事務所・事業所などがある都道府県民に対して納めるものです。

事業税は個人、法人がその土地で事業を営んでいる場合、その所得にかかる税金です。

市町村民税は、目的は都道府県民税と同じですが、こちらは住所や事業所のある市町村に納めるものです。

そして、土地や建物、事業で使う機械などを所有している場合にかかるのが、固定資産税となっております。

 

また税金の納め方によって、「直接税」「間接税」という区分を適用することもできます。

 

「直接税」は税金を納める義務がある人と税金を負担する人が同じである税金のことで、納税者が直接税金を払うものです。主な直接税は前途の所得税、都道府県民税、事業税などです。

 

「間接税」は「納税の義務がある人」と「税金を負担する人」が異なる税金で、「税金を負担する人」が支払った税金は、その税金を預かった「納税の義務がある人」が、代わりに国や地方自治体に納めます。主な間接税は消費税、酒税、たばこ税などです。

 

 

3.社会保障とは何か

「財政」の説明でも述べましたが、国や地方公共団体は我々が安心して暮らせる、また生活を守るための公的サービスを行っています。

そのサービスの中に「社会保障制度」があります。

我々は、一人一人が自らの責任と努力によって生活を営んでいますが、病気や怪我、老齢や障害、失業などにより、自分の力だけでは自立した生活を維持できなくなる場合が往々にして生じます。

そうしたリスクに対して、相互に連帯し支え合い、それでも困窮する場合は、必要な生活保障を行うというのが「社会保障制度」の役割です。

 

財政3

 

 

「社会保障制度」は具体的に4つの項目「社会保険」「社会福祉」「公的扶助」「保健医療・公衆衛生」に分けられます。

ここからは、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

 

社会保険

我々が病気や怪我など、生活の困窮をもたらすいろいろな事故に遭遇した場合に一定の給付を行い、人々の生活の安定を図ることを目的とした強制加入の保険制度です。

その機能として5つの仕組みがあげられ、

・公的年金制度

・公的医療保険制度

・雇用保険

・労災保険

・公的介護保険制度

となります。

 

社会福祉

障碍者、母子家庭など社会生活を送る上で様々なハンディキャップを負っている人々が、それを克服して安心して社会生活を営めるよう、公的な支援を行う制度です。

こちらは4つに分けることができ、

・保育・児童福祉

・母子・寡婦福祉

・高齢者福祉

・障碍者福祉

となります。

 

公的扶助

生活に困窮する人々に対して最低限度の生活を保障し、自立を助けようとする制度です。

日本国民の健康と生活を最終的に保証する制度で、貧困・低所得者を対象として、最低限の生活を送れるように公的な責任で行っています。

生活保護制度や生活福祉資金貸付制度といったものがあります。

 

保健医療・公衆衛生

全日本国民が健康に生活できるように様々な事項についての予防や衛生活動を行うためのものです。

具体的には予防接種の実施、公害対策、伝染病予防、下水道の整備、ペットの保護活動などがあげられます。

 

全日本国民が安定した生活を送ることを保障する「社会保障制度」は以上の内容から成り立っており、どの項目も欠かすことができないものとなっております。

また、これらの制度を活用するためには、地域を管轄している市区町村役場にて、申請の手続きを行う必要があるということも付け加えておきます。

 

 

まとめ

いかがでしたか?

当然のことですが「日本の財政」と「日本の社会保障」は切っても切れないものであるということが、強く認識されたのではないでしょうか。

財源となる納税の義務を果たすと同時に、我々の生活のそばには様々なセーフティネットが存在しており、日本国民である以上、その保証を受ける権利を持っているのです。

我々が普段何気なく暮らしている社会の中で、その裏側でどのような働きが発生しているのか、そこに思いを馳せてみても良いかもしれません。

そうすることで、日々の大切さを知り、変化への対応を考えていくことができるようになるはずです。

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