漢字の覚え方
こんにちは!オンライン家庭教師WAMです(^^)/
外国の方々がTシャツなどに漢字をプリントしたり、刺しゅうをしているのをよく見かけます。
どうして多くの外国の人たちは、漢字を好んで身につけているのでしょうか。
理由をたずねてみると、
「形がきれいでバランスが取れているから!」
「意味も含めて好き!」
「かっこいい!」
など、さまざまな意見があるようです。
例えば「木」という漢字ですが
外国人の方がこの漢字を好きな理由は、『意味と形が一番合っているから』。
ほかにも「凸凹」。
ご存じの方もいると思いますが「でこぼこ」と読みます。もちろん漢字です。
好まれる理由は、漢字じゃなくて『ただの絵みたいだから』だそうです。
そしてやはり人気なのは、「愛」「美」「龍」といった漢字で、形・意味に影響を受ける人が多いようです。
いずれにしても、漢字の魅力は一つひとつにたくさんの意味があり、見る人や使う人によって様々な受け取り方ができることです。
漢字にはその字に備わっている特有の意味があります。それが面白いところです。
外国の人たちは形もさることながら、そのあらわす意味に愛着があるようです。
なので、“漢字を覚えなきゃ”という心の負担を少しでも減らして、リラックスして取り組めば漢字も意外と覚えやすくなるのではないでしょうか。
Contents
漢字を覚える必要性
国語力のアップ
漢字を学習することは、単に漢字を読み書きする力だけではなく、文章を理解したり書いたりする力、つまり国語力を高めることにつながります。
単純に、漢字の読み書きができるようになることだけが目的ではありません。
漢字が含まれる言い回し、対義語、類義語、文脈の中での漢字の使われ方等、漢字は色々な場面で必要となります。
漢字を学ぶことによって、国語だけでなく日本語で書かれている他のすべての教科にも影響します。
例えば、
社会の問題で「本州と四国を結ぶ三つの橋の総称は何でしょう。」という問題が出たとします。
よく生徒から「総称の意味が分からないから答えられない」ということを聞きます。
総称とは「ある種類に含まれるものをまとめて呼ぶこと。」という意味です。
しかし、この言葉を知らなくても
「総」は多くの物事を一つにまとめる、というような意味であること(総合など)、「称」はよびな、という意味(名称など)があることを知っていれば、「総称」→まとめて呼ぶこと、というふうに予測がつきます。
なぜ漢字は覚えにくいのか
漢字を記号と捉えている
漢字を学ぶ重要性はとてもたくさんありますが、漢字が苦手な人は漢字を「記号」のように、とにかく形を覚えようとするあまり、なかなか頭に入ってきません。
インドでは公用語としてヒンディー語と英語があります。
ヒンディー語で「こんにちは」は「ナマステ」といいますが、現地の文字のデーヴァナーガリー文字という文字を使って書くと「नमस्ते」と書きます。
もしこれを覚えなさいと言われたらどうしますか。
「よく見て書く」ということをするのではないでしょうか。
これを一つ完全に書けるようになるにはかなりの労力がいると思います。
まだローマ字で「namaste」と書く方が覚えやすいのではないでしょうか。
「नमस्ते」と書けるようになるのに時間がかかる理由は、「全く見たことがない文字」だからです。
漢字は、どこかである程度見たことがあったり、「てへん」等の部首や似たような「つくり」との組み合わせでできているため、さきほどの「नमस्ते」よりはるかに覚えやすいはずです。
「namaste」が覚えやすい理由も、みなさんが小学5,6年生から中学生にかけてアルファベットを見て慣れているからです。
ということから、漢字が覚えにくい人の傾向として、漢字を記号や絵のように見てしまい、規則性を使わず、これまでの経験を生かせずに覚えているからだといえるでしょう。
漢字を覚えるメリット
ボキャブラリーが増える
漢字は書けなくても生活できますし、最近はメールやSNSなどの普及により読み方を入力するとすぐに変換できます。
しかし、ボギャブラリー(言葉の知っている数)の点からいえば、やはり漢字は勉強したほうがいいという結論になります。
「ボキャブラリーが豊富」と言うと「引き出しが豊富」ということです。
テレビに出ている芸人さんなどもそうですが、同じような内容のことでも違う言い方をしたり、他の何かに例えたりすることで、聞き手の共感を得たり、笑いを取ったりすることができます。
自分の細かな気持ちや状態を相手に伝えたり聞いたりすることは、これからの社会で生活するうえでとても大切なことになるでしょう。
テストの得点源になりやすい
そして学校に通っているみなさんにとって、漢字は入試・テストの得点源になる!ということがあります。
習う漢字の配当漢字は小学校で約1,000、中学校でも約1,000とされています。
ですから、義務教育で合計約2,000個もの漢字を習うことになります。
定期テストや高校入試でも、漢字の読み書きは必ず出題されます。
配点もそれなりに高く、決して落とせません。
知っていればそのまま得点になる貴重な単元なので、得意分野にしておいて損はないです。
また最近では『漢字検定』で資格も取れ、就職試験でも、漢字の知識は必要なので避けて通れないものになります。
微妙に意味が違う漢字
突然ですが、音は一緒なのに、微妙に意味が違う漢字をピックアップしてみました。
ぜひ、この機会に覚えておきましょう。
音は同じで漢字が違う例
「会う」と「逢う」
「会う」は、人と人とがある所で一緒になるという意味があります。
学校で先生に会う、街で知り合いに出会う、など人と人とが出会う時全てに用いる事ができます。
「逢う」は人と人とがある所で一緒になるという意味は同じですが、特に「親しい人にあう」場合に使います。
また「あいたいと強く願っている人にあう」場合など、単に「あう」のではなく、何かしらの想い入れを持っている人にあう時に用います。
「恋人に逢う」「運命の人にめぐり逢う」など、強い気持ちを持ってあう場合に積極的に使う事ができます。
「卵」と「玉子」
また、「たまご」を漢字で書くとき、「卵」と「玉子」の二種類の書き方があります。
「卵」は鳥の卵、魚の卵、恐竜の卵など、一般的に生物のたまご全般を「卵」と表記します。
「玉子」は調理されたものや食材に使用されるもの、もしくは鶏のたまごは「玉子」と表記されるようです。
ですが、「卵焼き」「ゆで卵」と書く場合もあり、間違いではありません。
ちなみに「マンガ家のたまご」という場合は、一人前になる前の孵化の状態を指して使っているので、「マンガ家の玉子」ではなく「マンガ家の卵」という使い方になります。
漢字を覚えるコツ
すでに書いたことですが、漢字には意味があり、そして使い方があります。
それをただの記号として覚えるにはかなり大変な作業になります。
さきほどのナマステのヒンディー語のように、ただただ記号の模写になりかねません。
なので、効率よく、そして役立つように覚えていく方がはるかに効果的です。
まず読み方を覚える!
漢字を苦手にしている人の大半は「書き取り」が嫌だという共通の悩みがあります。
英単語でもそうですが、いっぺんに進もうとしてもそう簡単にはいきません。
まずは読み方を覚える!というところから始めましょう。
大切なのは漢字単体だけで覚えようとしないことです。
短文のなかに漢字があってそれを読む練習です。
読みならば前後の文章を予測して読むことも可能です。
例
・手に余る
・枝が垂れ下がる
・進行の妨げとなる
(答え 順番に、あまル、たレ、さまたゲ)
このように、文章を読みながら練習することがとても大切で、しかも文章を読むので言い回しの練習や言葉の使い方まで勉強できて、とても効率的です。
ですので、漢字が苦手な人はひたすら読みの練習をしましょう!
これならば学校で習っていなくても答えを確認しながらどんどん覚えていくことができます。
漢字は「まだ習っていないからわからない」というような単元ではありません。
本が好きで読んでいる子たちは、先生に教わらなくても読んだり書いたりできます。
いきなり書こうとするから嫌にもなりますし、嫌になると頭に入ってきません!
そして、何度も何度も紙に書いて覚えようとしてはいけません(漢字が好きな人なら可)。
では、漢字が嫌いな人は次にどうすべきでしょうか。
えんぴつを持たずに書く
まず読みの確認ができたら、次に漢字が苦手な人はいきなり紙に書くのではなく、まずお手本の文字を人差し指でなぞり、そして何もないところ(机の上等)にもう一度人差し指で書いてみましょう。
その際、「一画二画・・・」という風に画数を声に出して書くのがおすすめです。
10問くらいを一区切りとして、覚えるべき漢字を進めてみてください。
これを繰り返します。
部首の意味をある程度知っておく
漢字は記号ではなく、成り立ちにも意味があります。
なので、最低限の部首の意味を知っておくほうがかなり上達が早くなります。
- にんべん(イ)・・・人に関係する漢字。「体」「侍」「使」「信」「僧」など。
- うかんむり(宀)・・・屋根を表している。「家」「室」「安」「客」「宿」など。
- てへん(扌)・・・手の動作を表しているもの。「打」「投」「折」「招」「握」など。
- りっとう(刂)・・・刃物を使う動作や刃物の性質などに関する漢字。「別」「割」「刻」「刈」「削」など。
- りっしんべん(忄)・・・心部に属する部首で左側に位置するとき、「忄」の形になり、心の働きなどに関する漢字。
「性」「忙」「恨」「悦」「憎」など。
- けものへん(犭)・・・犬・獣などに関する漢字。「猫」「狐」「猪」「猟」「猿」など。
こういったことを覚えていくことにより、漢字は組み合わせでできているとわかってきます。
たとえば、「亡」とは簡単にいうと「なくなる、ない」という意味合いがあります。
そこから、亡(ない)+心=忘(心がない・忘れる)という組み合わせになっています。
また、忄(心)+亡(なくなる)=忙(心がなくなるほど忙しい)です。
ほかにもたくさんの部首がありますが、こういったことに少しずつ慣れていき、効率よく漢字を覚えていきましょう。
まとめ
漢字が苦手という人は、まずは「漢字が嫌い!」という苦手意識を克服しなければならないでしょう。
そのためには、漢字の持つ意味や使い方に少しでも注意して覚えることが大切です。
漢字の勉強が、単純作業にならないように注意しましょう。
また、漢字の由来などを調べてみると、面白い発見がたくさんありますよ。
吹くからに 秋の草木(くさき)の しおるれば むべ山風を 嵐というらむ
【山から秋風がふくと秋の草木がしおれはじめる】
【なるほど(むべ) だから山風を嵐というのだなあ。】
漢字の「山」と「風」を組み合わせると「嵐」になりますね。この歌は昔の人が言葉遊びを取り入れながら詠んだ歌です。
漢字ならではの発想を生かした遊び心ですね。