電流、電圧、抵抗 みんなが苦手な電気の話
こんにちは!オンライン家庭教師WAMです(^^)/
中学2年生で習う電流分野。
「電気なんて目に見えないものをどう考えれば良いんだろう?」
「計算がややこしくて苦手だ。」
そう頭を悩ませる人は沢山いると思います。
ここではまず、電流、電圧、抵抗とは一体何なのかを説明します。
そして、多くの人が苦手とする、オームの法則を用いた計算方法や直列回路、並列回路の関係を理解するお手伝いをできればと思います。
Contents
電流、電圧、抵抗とは?
電圧とは
電圧とは、電気を流そうとするはたらきの大きさのことです。
単位はボルト(記号V)で、数字が大きいほどそのはたらきは大きくなります。
電気回路に乾電池や電源装置を繋ぐと、電圧が生まれる仕組みになっています。
この電源には+(プラス)と-(マイナス)があります。
乾電池を例にすると、でっぱりがある方が+側、平らな方が-側です。
電流とは
豆電球と乾電池を導線でつなぐと、明かりがつきます。
導線の中を、電気が流れているからです。
この電気の流れを電流といいます。
実際に流れている電気の量を、アンペア(記号A)という単位を使って表します。
下の図は発光ダイオードです。
発光ダイオードに電流を流すとき、長いあしに電源の+極、短いあしに電源のー極をつなぐと光ります。
しかし繋ぐあしを逆にし、長いあしに電源のー極、短い足に+極をつなぐと光らなくなります。
このように、電流には向きがあります。
電流の向きは、電源の+極から出てー極へ戻っていく向きと決められています。
電流は正確にいうと、電子という-の電気を持った粒子です。
電子は一般的には電流の向きとは逆方向に流れています。
抵抗とは
下のグラフは、抵抗器ア、抵抗器イに流れる電流と電圧の大きさを測定したものです。
同じ8Vを流していますが、抵抗器アは80A、抵抗器イは40Aの電流が流れています。
抵抗器イの方が、電流が流れにくく電気抵抗が大きいということです。
電流の流れにくさを表す量を電気抵抗、または単に抵抗といい、オーム(記号Ω)という単位を使って表します。
1Vの電圧を加えたとき、1Aの電流が流れるような電気抵抗の大きさを1Ωと決めています。
電流と電圧の違い
回路を流れる電流と電圧は、電流を水量に、電圧を水の落差に置き換えて考えると理解しやすくなります。
図のように、水は落差があると流れます。
ここで、水を流そうとする落差が電圧を表しています。
また、実際に流れている水の量が電流を表します。
電流、電圧、抵抗の関係
オームの法則
上のグラフを見ても分かるように、電圧が大きいほど電流も大きくなります。
水の例えを用いると、落差(電圧)が大きいほど水の勢いが強まり水量(電流)が大きくなるイメージです。
このような、電流と電圧の比例関係を「オームの法則」といいます。
オームの法則は、次の式で表すこともできます。
電圧[V]=電流[A]×抵抗[Ω]
電圧、電流、抵抗の関係は、道のり、速さ、時間の関係と同じように考えると理解しやすいと思います。
分からないものがあっても、かけ算とわり算を使って計算できるようになっているのです。
ここで、練習問題を3問解いてみましょう。
(1)3Ωの抵抗器に10Aの電流を流したとき、電圧は何Vでしょう。
(2)4Ωの抵抗器に8Vの電圧をかけたとき、何Aの電流が流れるでしょう。
(3)10Vの電圧をかけると2Aの電流が流れる抵抗器があります。この抵抗器の抵抗は何Ωでしょう。
解けましたか?
1問ずつ解説をしていきます。
(1)電圧を求める問題です。
電圧が分からないときは、電流[A]×抵抗[Ω]の計算で求めます。
3[A]×10[Ω]=30[V]
なので、30Vが正解です。
(2)電流を求める問題です。
電流が分からないときは、電圧[V]÷抵抗[Ω]の計算で求めます。
8[V]÷4[Ω]=2[A]
なので、2Aが正解です。
(3)抵抗を求める問題です。
抵抗が分からないときは、電圧[V]÷電流[A]の計算で求めます。
10[V]÷2[A]=5[Ω]
なので、5Ωが正解です。
どの問題でも、オームの法則がしっかり頭の中に入っていれば、計算式はすぐに浮かんできたのではないかと思います。
道のり、速さ、時間の関係と同じように、オームの法則もしっかり記憶しておきましょう。
直列、並列回路
電流が流れる道筋が1本で分かれ道がない回路を直列回路といいます。
電流が流れる道筋が複数に枝分かれしている回路を並列回路といいます。
ここで、直列と並列、それぞれの回路を流れる電流と電圧の大きさを考えてみましょう。
まずは直列回路です。
電流を水量に置き換えて考えると、流れる水の量はどこでも等しくなっています。
電圧を水の落差に置き換えて考えると、落差V1と落差V2の合計は全体の落差Vと等しくなっています。
次に並列回路です。
並列回路では水が分かれて流れますが、流れる水の量の合計は変わりません。
また、落差V1と落差V2、全体の落差Vはすべて等しくなります。
まとめ
電流は目に見えないものだからこそ、問題文から状況をイメージすることが大切です。
電流を水量に、電圧を水の落差にスムーズに置き換えて考えられるようになると、問題も解きやすくなるかもしれません。
また、一見ややこしそうに見える電流の計算ですが、オームの法則と直列・並列回路の関係の2つを使うことができれば、答えを導くことができます。
2つを確実に使えるようになり、電流マスターを目指しましょう。