理学部とは?どのようなことを学ぶのか・主な就職先は?
一言で理学部って言っても何を勉強するんだろう?研究には興味あるけど理学部に行けばいいのかな?
「理学部」とはどのようなものなのか意外とイメージがつかない人も多いはず・・・。
今回はそんな謎多き理学部についてご紹介していこうと思います。
Contents
理学部とは
概要
いわゆる「理科」を学ぶところです。
高校の授業で学ぶ「化学」「生物」「物理」「地学」の延長線上にはありますが、専門性が全然違います。
実験器具も実験施設もより専門的なのでワクワクしますね。
自然科学の全般的な基礎知識、技術を学ぶことで研究に必要な観察力、想像力を身につけていき、最終的には学んだ知識を用いてもっと新しいことを研究していきます。
その分野は多岐にわたり、一番想像がつくような「化学」「物理」「生物」「地学」のほかに「数学」も自分の興味のある分野での研究をすることができます。
「数学」も理学部で学べるのはちょっと意外でしたか?
学ぶこと
入学してすぐに研究ができるわけではありません。
まずは基本的な知識を身につけていきます。
研究したい分野は決まっていたとしてもまずは幅広く知識を身につけます。
化学、物理、生物、地学、数学…。
この中に苦手な科目がある人も多いのでは?
大学によって教科の取り方は違いますが、どこの大学でも幅広く知識を身に着ける必要があります。
興味がない科目でも勉強してみると意外と楽しいかもしれないですよ?
幅広く学んだことが後々役に立つのは確かです!
その後専門分野の勉強が始まります。ここでは一気に実験や専門知識の授業が増えて、「理学部っぽさ」を実感するでしょう。
大学によって専門的に研究している分野が微妙に異なってくるので、大学を調べるときに研究内容まで調べておくことをオススメします。
「この研究がしたい!」という気持ちは、受験勉強のモチベーションになるはずです。
大学での勉強をもっと深めたい!もっと研究したい!という人は大学院進学という選択肢があります。
大学院では、学部より研究の専門性も増し自分の興味のある分野に没頭することができます。
中には世界レベルの水準の研究をしている教授のもとで研究できることも!
理学部の人は研究活動に積極的なこともあり、大学院に進学する人も多いです。
理学部に向いているのはこんな人
能力
まず言っておきたいのは、高校までの勉強で理科が苦手だったから、理学部には向いていないとは言えないということです。
逆に大学受験勉強で得意だからと何となく学部を選ぶのもあまりおすすめしません。
なぜなら大学の勉強は高校の勉強の延長線上ではありますが全然違うものだからです。
入学後に「全然興味ない!しっくりこない!」といっても、その時点ではすでに手遅れなことも・・・
「好きこそものの上手なれ」ということわざもあるように、あくまでも「自分の興味」を第一に考えましょう!
性格
「ものの原理をとことん突き詰めることが好きな人」
「日常のなぜ?をたくさん感じる人」
「実験や研究が好きな人」
こんな人が理学部に向いていると思います。
逆に
「何か新しいものを作り出したい」
「知識を生かして何かに役立てたい」
そんな人は理学部でもいいのですが工学部についても調べてみることをオススメします。
工学部にも「化学」「物理」系の学科がありますし、「生物」資源を生かした研究を行っている学科もあります。
教科だけで考えるのではなくで“基礎”を研究しているのか?“応用”を研究しているのか?についても着目してみてください。
志向
理学部の根底の考え方は、基礎をとことん突き詰めてその原理を解明することです。
「どうやってこの原理が発見されたのだろう」といった疑問を解決することが目的です。
世の中の素晴らしい発見の根底には「理学部」での基礎研究が関わっています。
そのため、世の中の当たり前を当たり前と思わず、疑問をもって突き詰められる人は理学部のセンスがあると言えます。
理学部の主な進路就職先
理学部だからって研究職ばかりではありません。卒業後の進路も、様々な可能性を秘めています。
ここでは理学部の将来についていくつかご紹介していきます。
1.大学院進学
文系と理系どちらも含めた大学生の大学院進学率は、およそ12%であるにも変わらず、理学部の大学院進学率はなんとおよそ40%!!
旧帝大などの上位の大学では、もっと大学院進学率が高いです。
それだけ研究に対して積極的に取り組もうという人が多いのです。
基礎的な授業を1、2年生で行い、2年生後半から3年生にかけて応用的な知識について学んで・・・
ではいつ研究できるのか?
大学のカリキュラムにもよりますが、研究室に所属して研究をし始めるのは基本的に3年生前半もしくは後半になってからです。
学部卒も検討する場合、そこからさらに就職活動にも時間を割かなければならないので、研究する時間を十分に確保することができません。
そのため研究意欲のある人は、不完全燃焼に終わってしまいます。
だから研究するために大学院へ進む人は意外と多いのです。
2.一般企業の研究職、開発職(学部卒業後、大学院卒業後)
人気の職種としてはメーカーなどの研究が挙げられます。
学生時代に研究していた分野のメーカーだけでなく、学生時代の研究とは全く違った分野のメーカーに就職する人も多いです。
研究をしてきた人材は製品開発、安全性試験など幅広い分野で求められます。
うまくいけば、学生時代に興味のあった分野を仕事にすることができますね。
3.教師、塾講師(学部卒業後、大学院卒業後)
意外と多いのが教育関連の仕事。
数学の先生、生物の先生の出身学部を聞いてみてください。
理学部出身の先生も多いはず。好きなことに関わりながら自分の知識を生かすことができます。
近年教育需要は高まっており、教職に就く人も増えています。
また、予備校、学習塾の講師も人気な仕事になっています。
理学部のある主な大学
理学部のある大学はたくさんありますが、 今回は人気の大学をいくつか紹介します。
1.筑波大学(国立)
【偏差値】57.5~60
【所在地】茨城県つくば市
つくば研究学園都市に位置し、国際的にも一大拠点となっているつくば市に位置しています。
都心からも近く、研究機関が充実しています。
過去に2名のノーベル賞受賞者を輩出するなど、高いレベルの研究が行われています。
学類(学部)は数学類、物理学類、化学類、応用理工学類、工学システム学類、社会工学類に分かれており、工学分野と融合した形になっています。
中でも、「化学」「物理」に力を入れていて応用的な研究もできます。
2.大阪大学(国立)
【偏差値】60~62.5
【所在地】大阪府豊中市
大阪大学の理学部では、学科が数学科、物理科、化学科、生物科学科に分かれています。
大学院にはこのほかに宇宙地球科学専攻、高分子科学専攻といった魅力的な学科もあります。
さらに付属施設(レーザー科学研究所、ラジオアイソトープセンター、蛋白質研究所など)が充実していて、高いレベルの研究環境が整っています。
また、「大阪」という土地も魅力の1つですね。
3.東京理科大学(私立)
【偏差値】第一部:57.5~60、第二部:42.5
【所在地】東京都新宿区神楽坂
その名の通り理系に特化した大学で「理学部第一部」と「理学部第二部」に分かれています。
そしてそれぞれが数学科、物理学科、化学科などに分かれています。
「理学部第二部」は日本で唯一の夜間学部です。
ここでは、大学に通うのが少し厳しい事情を抱えた人でも、例えばアルバイトをしながら大学に通うことが可能です。
このように、様々な特色の大学があるので、偏差値のみで判断するのではなく実際に大学で研究していることを調べてみるとよいと思います。
大学の立地や、行事などの特色も調べてみると面白いかもしれませんよ。
まとめ
理学部についてお話してきましたが、今回の記事のみでは理学部の魅力を伝えきれていません。
実際にオープンキャンパスに参加したり、大学に通っている人のお話を聞いたりすることでより具体的にイメージできると思います。
実験が好き、自然が好き、理科が好き、そんな人は将来の選択肢の一つとして理学部を考えてみるのはいかがでしょうか。