国語の文章題を解いていると「この時の主人公の気持ちを答えなさい」や「筆者の考えを答えなさい」など、人の気持ちを答えるという問題が出題されます。そんな時、「本人じゃないんだから解らないよ!」と、投げ出したくなる事もあるかと思います。

 

国語に限らす、数学の文章問題で「何を答えるのか」、社会や理科の資料・実験問題で「何を読み取ればいいのか」よくわからないという声をよく聞きます。

 

これらの悩みの解決方法の1つは「読解力をつけること」です。

では、この読解力はどうすれば鍛えられるのでしょうか?

 

読解力の重要性

読解力を鍛える方法の前に、「読解力とは何か?」という根本的なことからお話しします。

 

読解力とは?

「読解」とは「文章を読んで、その内容を理解する」(福武書店国語辞典より)と定義されています。

つまり、「読解力」とは、文章を読んで内容を正確に理解する力の事を指しています。

 

日本の場合は、特に文章を読む力と思われがちですが、*国際的には文章を理解するだけでなく、そこから自分の意見を述べる力、表やグラフを読み取り分析する力も含まれているようです。

 

(*国際的な読解力の基準は、OECD(経済協力開発機構)によるPISA型読解力の基準です。)

 

日本の子供の「読解力」は低い!?

OECDによる世界の生徒の学習到達度調査は、3年に一度行われています。

2018年度に行われた調査では、肩を落としたくなるような結果が報告されました。

「日本の読解力は全体の15位。OECD平均が487点だったのに対し、日本は504点と、前回の8位から大きく順位を落とした。」という報告です。

 

 

平均点以上とは言え、過去最低の15位という順位は、国際的に日本人の読解力が低下してると言えるでしょう。

 

この結果を受け、日本の読解力改善が図られるようですが、読解力を高めるとどのようなメリットがあるのでしょうか?

 

読解力を鍛えるメリット

読解力はすべての基礎

読解力とは、文章を読んで内容を正確に理解する事だと、先ほど述べました。理解の対象は、文章にとどまらず、図やグラフの読み取り、分析、自己表現も含まれます。つまり、教科に関わらず、すべてのことに対して理解する力ということになります。

 

その範囲は勉強だけではなく、社会全体に及びます。仕事をしていると、相手と資料のやりとりをする事もあれば、報告書や議事録、自分の勉強のためにビジネス書を読む事、新聞やネットで情報を収集する事、収集した情報を分析する事など、様々な場面で読解力が必要になってきます。

 

読解力が鍛えられるほど、強い土台が作られて、仕事も勉強もスムーズに進むと考えられます。

読解力がコミュニケーション力を高める

読解力が上がるという事は、人とのコミュニケーション力が上がる事につながります。国語の問題ではなく、リアルタイムで相手の気持ちや伝えたい事や考えを読み取る事もでき、逆に自分の気持ちや伝えたいことや考えを相手に伝える力が身に付きます。

 

他にも、読解力を鍛えることで得られるメリットは様々ありますが、この2つだけでも、読解力が人間が社会で生きていくうえで大変重要なことであることがおわかかりいただけたと思います。

 

 

読解力を鍛えるにはどうすればいいの?

勉強や仕事に役立つ事はもちろん、日常的に鍛えていきたい読解力ですが、どのようにすれば鍛えられるのでしょうか?

効果的な方法をご紹介します。

 

読書をアウトプットしよう

文章を正確に理解する力が読解力なのですから、読書は基本的な読解力鍛錬になります。けれども単に読書と言っても「何を読めばいいの?」「何を読んでも読解力は上がるの?」という質問が出てきそうですね。

少し乱暴かもしれませんが、答えとしては「好きなものを読めばいい」という答えが出てきます。ただし、ただ単に読むのではなく、「要約」「注目ポイント」「感想」の3つが出てきて人に伝えることができるようにする、という事が重要です。

読書そのものが脳に情報を入れる「インプット」であれば、その情報を相手に伝える「アウトプット」をする事で、読解力が高まります。

 

本屋さんに行けば、おススメの本に店員さんが書いたPOPがあるかと思います。あの位の文章量でいいです。大体ハガキの半分くらい、文章にして200字前後、魅せる技術があればなお良いです。自分が読んだ本に、POPを作ってみてはどうでしょうか?読解力の一成分でもある表現力も、しっかり身につくことでしょう。

 

線引き読書

本を読みながら、ボールペンやシャーペンで線を引いていく「線引き読書」も、効果があります。よく知られているのは「三色ボールペン」を使うもので、赤=すごく大事、青=ちょっと大事、緑=面白いと思う箇所、というようなルールに従って線を引いていく方法です。シャーペンで引く場合は、目印代わりとして引きます。

 

この方法の重要な所は、再読する事を考えている所です。2度3度と読むことで、より深い読解を目指します。

 

音読

声に出して読んでいく事は、インプットと同時にアウトプットをこなしている事になり、目で読むよりも頭に残りやすく、読解力アップの手助けになります。

 

できるだけ幼い年齢の時に、教科書の文章や絵本などを音読する事が望ましいでしょう。

 

要約練習

国語の問題として出された文章を、短い文章で要約する練習も、「どこが文章の中で大切なのか」を認識するための、良い訓練になります。

私も授業で、小中学生の国語の授業に入ることがありますが、必ず「問題0」として「どういう話だった?」と生徒に聞くようにしています。どれくらい頭に入っているかが、よく解ります。

 

ロジカルシンキング

ある問題を考えるとき、それが筋道だっているかどうか、図などにして表す思考法を「ロジカルシンキング」と言います。表現力や論理的思考力をつける効果が期待できます。

 

自分がきちんと理解できているか、それをわかりやすく伝えられるか、その2つを同時に鍛えられるため、大変おすすめです。

 

書写

こちらも音読と同じく、インプットと同時にアウトプットを行う事ができる訓練になります。例となる文章は、長いと挫折しやすくなりますので、短めの文章を選ぶようにしましょう。また、書道としての書写のように意識して、できるだけ丁寧に書くことで、相手に伝える表現力も身に付きます。

 

作文

テーマが決まっている作文、自由作文、どちらも自分の思う事を表現し、相手に伝わりやすい文章を書く訓練になります。

 

 

計7つの読解力を鍛える方法をご紹介しましたが、すべてに共通することは、「アウトプットする」ということです。

勉強においては、知識を詰め込む「インプット」に目がいきがちですが、問題を解いたり、学んだ内容を友達に教えたりするなど、積極的にアウトプットすることを意識するようにしましょう。

 

 

読解力を鍛えるおすすめ書籍

 

 

好きであれば何でもいいのですが、迷った方のために、読解力を鍛えるためにおススメの書籍をご紹介します。

 

斎藤孝「読書力」(岩波新書)

前述の三色ボールペンを発案した斎藤孝さんの著書で、その中でもずばり読解力に注目している「読書力」です。どのように読書をすれば効率がいいか、どのような本を読むのがおススメか等、斎藤孝さんの著書はどれも魅力的ですが、中でもこの本が今回のテーマ「読解力を鍛える」に向いています。

こちらでおススメされている本は、どれも難しいものですが、是非「読書力」を読んだ後、取り組んでみてください。

 

自分の使いやすい国語辞典

用語の意味を、文章の前後から理解する事も大事ですが、やはり、知識量を増やすことも重要です。広辞苑のような分厚い物から、ポケットサイズの小さい物まで様々ありますが、自分に一番合ったものを見つけ、ぜひ使い込むようにしましょう。自分を助けてくれる相棒として、調べたい言葉をいきなり出せるようになれば、本物です!

 

家で購読している新聞

新聞は、日々発行される新しい情報の集まりです。すべて読もうとすると、非常に時間がかかりますので、一面記事、三面記事、社会面、コラムなど、ぜひ自分の気になる記事を拾って、毎日読むという習慣をつけましょう。

 

「読解力を得る事で、豊かな人生を得る」

 

読解力とは、例えば三角形の面積を求める公式などとは違い、いきなり覚えて使っていけるものではありません。

日々の積み重ねであり、少しずつではありますが、確実に身についていく力です。

なかなか読解力が身につかないと嘆かず、毎日続ける事で、学問だけでなく、社会で活躍できる力を身に付けることができるでしょう。

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